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一房の葡萄 (角川文庫 緑 29-5)

一房の葡萄 (角川文庫 緑 29-5)

一房の葡萄 (角川文庫 緑 29-5)

作家
有島武郎
出版社
KADOKAWA
発売日
1952-03-15
ISBN
9784041029053
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一房の葡萄 (角川文庫 緑 29-5) / 感想・レビュー

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まめ@暫くイン率落ちます

この一冊に有島武郎の童話全てが収録されているようです。どの童話も夢や希望を目前に押し出したものではなく世の中の悲惨さや実情を子供に諭すように書かれていたのが特徴的でした。自殺する1〜2年前に書かれた作品ということからこの時から有島武郎は死を考えて子供たちに残せる作品をと考え執筆していたのかな。自分が居なくなった後、世の中の辛辣さを伝える物語として読みましたがここにもまた子供達への愛情が込められていると感じました。

2018/08/28

えいなえいな

名前は知っていましたが初めて読みました。読後に解説を読んでみて童話集『一房の葡萄』を出版したのが大正時代で、自殺する1、2年前に書かれたものであると知り、一気に考え方が覆ってしまいました。妻が子供3人を残して死んでしまい、どういう気持ちでこれらの話を書いたのか、想像することが難しいですが、本作以前に書かれた作品も読んでみて、さらに想像を深めていきたいと思います。

2020/10/06

冬見

有島の死の前年・前々年に編まれた童話集。級友の物を盗んでしまったり、溺れる妹を見捨ててしまったりといった、現実世界における弱さや狡さ、生々しさを描きつつも柔らかく、愛と救いがある。こんな話も書けたのか。「碁石を飲んだ八っちゃん」が特に好き。「燕と王子」はワイルドの「幸福の王子」の翻案で、結末部が大きく違う。大人になった今では原作の結末の方が好きだが、子どもの頃に読んでいたらどうだっだろう。そんなことを考え有島は翻案という形をとったのかもしれない。訳文の柔らかさに優しさを感じる。

2017/12/06

東京湾

有島武郎が自らの子ども達の為書いた童話六篇。若干の箸休め的な感覚で読んだのだが、この六篇は童話と言えども汚いものや悲しいものを隠すことなく全てをありありと描いており、一篇一篇は短いながらも、全篇読み通すと何だか普通に小説を読んだかのような読後感を味わった。つまり奥深い。これは子供は勿論大人が読んでも十分満足できるものではないだろうか。有島武郎はこれらの物語を通して一体何を子供たちに伝えようとしたのか、それを考えるとまた読み返したくなる。とにかく良い童話集。

2016/10/18

ティス@考える豚

童話集だと知らずに読んだので驚きました。一房の葡萄がよくわからなかったけど、大人の女性をきっかけにした性の目覚めってことですか?切なさが沸き上がる物語ばかりで有島武郎という人物を少しだけ知ることができた気がします。『王子と燕』を有島武郎も訳しているとは思いませんでした。

2011/09/01

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