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蒼天見ゆ

蒼天見ゆ

蒼天見ゆ

作家
葉室麟
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出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2015-05-29
ISBN
9784041029589
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蒼天見ゆ / 感想・レビュー

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いつでも母さん

葉室作品は卒業かと思っていたのだがやはり手にした。安定といえば安定の作品だったなぁ。時代が変わったとは言え、その過渡期の当事者には堪らない【仇討禁止令】しかし、やり遂げたのだ。長かったね・・ただ一針の為に最後の武士・臼井六郎、天晴れ。だが、自首してからの年月も長かったね・・生きていくということは辛いなぁ。蒼天は故郷の上にあったと。果たして本当にそうなのか?葉室作家がそう思いたいだけではないのか?この空は何処にも続く空なのだと私は思う。だから今、誰かがどこかで起こしている闘いが痛い。そこに蒼天が見えるか。

2016/02/12

それいゆ

明治維新前後の動乱期の歴史を詳しくおさらいさせてもらいましたが、葉室作品は、史実を説明する部分になると急につまらなくなってしまいます。この作品中に、寺田屋騒動の後、日向の細島港に送られる途中、薩摩藩によって惨殺され播磨灘で遺骸を海中に投じられた田中河内介が登場します。田中河内介は明治天皇の幼少期の養育係でもあった人物です。遺骸は小豆島沖に流れ着き葬られた縁で、現在小豆島では「田中河内介顕彰会」が組織されており、私も会員の末席に加えさせてもらっています。彼の登場で俄然読む意欲が湧いてきた葉室作品でした。

2015/07/05

AICHAN

図書館本。吉村昭の『敵討』が頭にかすかに残っていて、この『蒼天見ゆ』も同じ題材を扱っているのではないかと思って手に取った。やはりそうだった。司馬遼太郎か津本陽にも同じような短編があったように思うが記憶が定かではない。だけどどの作品ともこの『蒼天見ゆ』は本懐の遂げ方が違っているように感じた。記憶が薄れているのではっきりとは言えないが、仇討ちの状況がずいぶん違っているように思えたのだ。吉村昭の『敵討』をまた読んでみようと思う。葉室麟は『蜩ノ記』以来。読みやすい文章で好感が持てた。

2018/10/31

starbro

葉室麟が実在の人物(臼井六郎)を主人公とするのは久しぶりです。「蒼天を見よ」という教えは決して仇討とは結びつかないような気がします。本来は明るい未来を夢見て精進するということではないかと思います。現代で仇討を認めてしまうと法治国家の根幹が崩れますが、殺人事件の被害者遺族らが望む場合、死刑執行予定日を教えたり、死刑執行の権利を与えたりすることは出来ないのでしょうか?

2015/06/23

優希

面白かったです。幕末から明治を生きた臼井六郎の生涯を時代の寵児らと絡めて描いていました。最後の仇討ち、変化していく時代。どんなときでも「蒼天を見よ」の言葉は大きく六郎の胸に響き、守ってきた言葉だと思いました。だからこそ、最期に故郷で蒼天を見れたことは六郎を救ったのですね。

2021/02/26

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