聖の青春 (角川文庫)
聖の青春 (角川文庫) / 感想・レビュー
ハッシー
【9×9の81マスに人生の全てを賭けた】 ▶一つのことだけに生涯をささげるのはとてつもなく危険だろう。それを失えば自分の人生すべてを否定してしまうことになる。棋士はそんな恐怖と戦いながら、基盤の上に宇宙を描く。そこには自分が生まれた意味がある。自分が生きる意味がある。 ▶聖は意識が途切れる最期の瞬間まで将棋の譜読みをしていた。そんな状態でも将棋の名人になることをあきらめていなかった。 生きるとは何か?人間の強さとは何か? 小説を読んでいくうちに、彼から大切なことを教えられた。
2017/01/31
Emperor
病気と闘い、命を懸け、名人位という夢を追い続けた関西の”怪童”、村山聖。彼の儚く散った美しい生涯と、純粋すぎる生き方、そして、人生の最終手「2七銀」に、敬意と祈りを。【カドフェス2016】
2016/08/23
またおやぢ
幼少の頃より命と向き合い、命を燃やし尽くした不出世の棋士の一代記。身に降りかかる現実の理不尽さに憤りつつも決して目を背けず、自らが定めた頂きに向けて、一心不乱に愚直に歩みつづける青年の姿には驚嘆を禁じ得ない。彼が高みに登ることができたのは、類い希なる才能の賜物であることは間違いないが、彼を取り巻く人々の存在無くして才能は開花しなかったに違いない。両親、師匠、良き好敵手との出会いが、純度の高い濃密な日々を生きた証となったのだ。困難を乗り越える勇気に満ちた行動こそが、人間の価値を決めるのだと強く意識する一冊。
2017/02/04
hnzwd
奇跡のA級棋士 村山聖を主人公とした一作。命を最後の1ミリまで絞り尽くしたかのようか名局と、どうしても逃れる事のできない運命が描かれます。『3月のライオン』二階堂の元ネタらしく、漫画より漫画みたいな純粋過ぎる生き方を感じられます。生きる事よりも優先出来るくらい好きな事を見出せるのは羨ましいと思う反面、そこまでしても振り返ってくれない将棋の神様の厳しさ、悲しさを感じました。
2015/10/30
まさ
藤井四段の28連勝の日に読了。早逝した天才棋士、村山聖さんの壮絶な生涯です。 生きるために将棋がある、将棋があるから生きられる。それも、名人に執着して。 生きるということはこれ程までに凄まじいものなのか。非情な運命に胸がしめつけられる。
2017/06/21
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