KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

「東京電力」研究 排除の系譜 (角川文庫)

「東京電力」研究 排除の系譜 (角川文庫)

「東京電力」研究 排除の系譜 (角川文庫)

作家
斎藤貴男
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2015-10-24
ISBN
9784041031490
amazonで購入する Kindle版を購入する

「東京電力」研究 排除の系譜 (角川文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

キク

福島事故の時にいた現場の所長のことは、人間としても尊敬していた。東京支店副支店長等を経て、今では年間2兆円を請け負ううちの会社の常務になっている。そんな上司があの原発事故の後に「それでも原発を稼働させないと、日本は成り立たない」と言っていて、ショックを受けながらも「この人が言うなら本当に成り立たないんだろうな」と思った。でも「成り立たなくたっていいんじゃないのか?」という議論だって出来るはずだ。長崎・広島・福島を経験したこの国で「電気代が高いから原発稼働の規制をゆるめる」って、東電にいいようにやられすぎだ

2023/02/15

Ikuto Nagura

本書の東京電力や山崎豊子『沈まぬ太陽』みたいに、労務管理・組合対策をする部署が、大企業における花形だった時代が、ついこの前まであった。資本家に都合の良いように人間を隷属させることが、出世への道であった。権利を叫ぶ労働者を「アカ」と呼んで排除し、御用組合を第二人事部として労働者を監視させる。「企業と社会の一体化を目指した福祉経営理念」という美名の下に行われる排除と分断による労務管理が、私たちに何の利をもたらしたのか。過半数に迫る非正規労働者と、世界最低レベルの労働生産性と、炉心溶融した原発4基、笑えない…。

2015/12/19

jiangkou

原発、電力の成り立ち、今回の事故の関与した東電の構造などを知りたく読んだが途中で挫折。いかにも日本の記者が書いた本で、まず結論、自分が言いたいことありきで書かれている感が強く、また重厚感をだすため?に本旨とあまり関連が無いような情報もつめこみ、論説にもなっていないし、時系列でも記録ルポにもなっていない。自身が取材した順番にもなっていない。文章を書くのは難しい、、と改めて感じさせられた本。これを読むくらいなら日経の電力特集のほうが良い。

2016/04/02

Hiroki Nishizumi

大作だ。大作ゆえ内容が広範囲なのは仕方ないが、話の流れがぎこちない。章毎に別の本として出した方が良かったんじゃないかなとも感じた。原発そのもののあるべき姿や人類との関わり合いは大切なテーマであり、本著でも拝聴すべき内容も多い。その一方で労使分断や組合運動殲滅との関連も考えさせられたし、木川田一隆、平岩外四についても興味深く読めた。惜しむらくは本の構成がもっとスッキリすれば更に高い評価を得たのではないかと想像されることだ。

2017/09/27

okadaisuk8

往年の東電を名経営者として支えた黄川田、平岩両氏について、組合を押さえ込んだ過去などを中心に詳報して疑問を投げかける。やや情報過多な面もあるが、原発事故までの東電を中心とした政官財、ついでにメディアを含めた四者の関係を知るには参考になる。

2021/08/16

感想・レビューをもっと見る