夏服パースペクティヴ (角川文庫)
夏服パースペクティヴ (角川文庫) / 感想・レビュー
W-G
ロケハン設定で作中作という発想は非常に面白い。リアルタイムで人物が動くことで、作中作が陥りやすい失敗を回避出来ている。反面、色々やろうとし過ぎて、纏まりがなくなった印象も強い。真壁側の背景と、美鈴側の背景がテーマのもとに上手く収束していないこと、もしくはソレをものともしない仕掛けを用意出来なかったことが痛いところ。読者には、登場人物には伏せられているカードが早くから呈示されているので、どこか違う角度からカウンターを喰らわせて欲しい。ただ、モヤモヤした厨二世界観とミステリの融合はしっかり為されていて面白い。
2018/02/04
セウテス
【樋口真由シリーズ】第2弾。シリーズ物の設定として、第2弾が前作の前の物語という事に少し違和感がある。時系列順の本作から前作、この順番で読む方が良いのではないか、順番を代えた理由が解らない。パースペクティブが背景とすると、何がおきているのかというWhatが、ミステリの謎解きの重点という事だろう。シリーズの特徴として、何かの誤認と消失が存在すると理解して推理すると良いと思う。物語最初に描かれている過去に起きた監禁殺人事件が、隠された生還者の現在へと繋がっていくのだが、流石に全てを明らかにする事は難しかった。
2021/08/07
takaC
『冬空トランス』と間違えた!そして夏服は単行本を読んで消化不良だったことを思い出した・・・
2016/03/05
papako
なんと長く積んでいたことか!樋口真由シリーズと言っていいのか。『消失』の内容がかなりあやふやな状態で読みましたが、なんとか追いかけられました。やはり厨二な文章だと思いつつ、お風呂本の割には早く読めた。こういう高校生たち、やだな。なんか上から目線だし。なんで面白く読めたのかわからないけど、楽しみました。ラストの『冬服』はどうしようかな。別にいっかな。
2018/04/18
Bugsy Malone
"樋口真由を敵に回してはいけない"見開きのこの言葉で思わずにやにやしてしまった本書は 「消失グラデーション」に続く樋口真由シリーズの2作目。時系列的には「消失」の前の事件となっている。「消失」程の鮮烈な衝撃は無かったものの、青春小説の趣のある作風は前作同様魅力的だった。実際、事件が起きるのは終盤に入ってからなのだが、それ以前のセミドキュメンタリーの撮影過程が非常に面白かった。登場人物も良く、音楽ユニットのHALなどはスピンオフしてもらいたいくらい。
2017/01/03
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