鬼談百景 (角川文庫)
鬼談百景 (角川文庫) / 感想・レビュー
yoshida
日常に忽然と現れた怪異を集めた作品集。小野不由美さんの作品だと、長編の方が怖さを味わえる気がする。実際、私はこういった怖い経験が幸いにして無いので、純粋に楽しんで読了することができる。これだけ沢山の人々が生活していて、様々な想いを持っていれば、所謂「怪異」として現れることもあるのではないか。大学生の頃は友人と数名でいわくつきの場所に行ったりしていたのだが、今はよそうと思う。夏に怪異譚を読むだけで充分に怖さが味わえる。実際に恐ろしいのは、生きている人間だなと思う。私は所謂「視えない人」で良かったと思った。
2017/08/19
kishikan
鬼談の定義が定かでないので、タイトルからイメージする内容と若干ずれてはいたが、多分この本を手にした人は皆満足するだろう。陰陽師のように鬼が出たり、時代がかってはいないけれど、現代の日常の裏に潜んでいる、あるいは子どもの頃に友人達と話していた怖い話、いわゆる都市伝説的な99の物語。それだけでも小野さんの創造力が十分に発揮されているけれど、なにせ1話が6行から長いものでも数ページ。星新一さんも驚くショート・ショート。身震いするような怖い話もあれば、悲しく切ない話まで。ホラー好きの方はお読み逃しなきように。
2015/11/13
KAZOO
ごく短いものからやや長い短編まで話が99収められています。場面が学校などが多いのは最近の事情や読書層を想定しているのでしょうか?読んでいてかなり怖そうなのもあればさほどでもないのもあって様々です。今の季節にはぴったりのものなのでしょう。電車の中で読むにはぴったりの本です。
2015/08/12
Aya Murakami
カドフェス2017対象本。 母に表紙見せたら「猫のイラストが怖い!なんでこんな本買ったの?」と言われた一冊。 「一緒に見ていた」は正体不明のナニかへの恐怖がよく表現されていました。最後まで正体不明の後ろから肩に手を置いてきたナニか。主人公は振り向くことができなかったようですが、振り向いて正体を見たらそれはそれで嫌な気分ですよね。肩に手を置くほどの至近距離で化け物の正体なんて目視したくないですよ。
2019/07/02
sin
しまった実話怪談だ。じつは実話怪談が苦手だ:)語り手の作為を感じてしまうのだ。後日談とかは意図的に付け加えたんじゃない?とか勘ぐってしまう。素直じゃないから…。さて久しぶりの実話怪談はといえばそういった感想はいだきながらもゾッと鳥肌の立つ話に包まれて涼しさよりも寒気を覚えて体調がおかしくなったくらいだ。こういった話は大勢でワイワイやったほうが体には負担がないのだろう。ああそうか怖さには素直なんだ:)
2015/08/02
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