見えざる網 (角川文庫)
見えざる網 (角川文庫) / 感想・レビュー
しんたろー
お気に入りの伊兼さんデビュー作で横溝正史ミステリー大賞受賞作…TVインタビューでSNSに否定的なコメントをした主人公が事故を装って命を狙われる…掴みは面白いし、社会の闇を見せられるような不気味なサスペンス感が強い前半~謎解きになってゆく後半は青春ドラマの要素も交えて飽きずに読了。犯人へのミスリードも悪くなく、社会的テーマも今日風で良かったが、終盤の説教臭く長い会話と少々雑に感じる収束が弱点と思えた。とは言え、文章の巧さも新人離れしているし、心情表現も整っていて、本作後に佳作を連発したのも頷ける良作だった。
2020/04/23
ケイ
2012年度第33回横溝正史シリーズミステリ大賞受賞作。冒頭の怖さが体感出来る。若者が何となく集まってくる不気味さは手に取れるよう。行き着くところはそこに違いない、とは分かる。しかし、動機が分からない。どう対抗できるのかも分からない。そんなミステリ的展開の面白さだけでなく、表現が綺麗なのがまた惹かれるポイント。しかし、何よりの感動は、巻末の受賞の際の本人の熱い言葉。「無数の小説の山に殴り込み、居場所を確保するのは並大抵ののとではない…、消えたくない。だから行ける所まで行ってやろうと決めている」
2023/05/26
petitlyz
Kindle Unlimitedで読了。伊兼源太郎さんの作品はいくつか読んだけど、これがデビュー作のよう。前半の、不穏がたびたび起こるカラクリが知りたくて読む手が進んだ。敵との対決のアクションシーンも面白かった。伊兼さんはジャズが好きなんですね。犯人というか黒幕にたどり着いた後は、少しモヤっとしたけど全体としては楽しめた。他の未読の本も読んでみる。
2023/04/07
こういち
便利であることの裏側に潜むリスク。決して今に生まれた功罪ではなく、火を扱い始めた時、発電機を発明した時、爆弾を生み出した時、いつの時代にも「相即」する。本作品の軸となるSNS世界の発現は、これから先の世代に何を残し、どんな導きを用意するのか。作中の展開は、いろんな思いが一箇所に詰め込まれ少々読みづらいところもあるが、そこは〝カレー〟の如く、灰汁を出しながらも題材は煮込まれて行き、最終的には旨く出来上がっている。著者の次なる作品に期待したい。
2015/10/28
マサキ@灯れ松明の火
SNS=ネット=網?…網ですね…確かに網ですね…主人公、出来すぎるくらい出来すぎ…黒幕…分かりやすい黒幕…なんだか、最近の作家様達の黒幕(犯人)は…職種が同じなような気がします…気のせい…?
2015/12/09
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