太陽
太陽 / 感想・レビュー
ASnowyHeron
近未来の日本の姿、身勝手な人間心理に心が暗くなるが、示唆に富んだ作品だった。舞台や映画でも公開された作品のようだが、どんな作品になっているのか気になる。読みながら頭にチラついたのが『百年法』。
2016/07/09
Ririko
未知のウィルスによって世界は二分されてしまった。ウィルスに怯えながら変わらぬ日常を過ごす旧人類"キュリオ"。ウィルスを克服し、不老の肉体を持つ代わりに太陽を浴びることができなくなった新人類"ノクス"。初めは疎まれる存在だったノクスだが、次第に立場は逆転し文明を担うようになっていた。そんな中キュリオの若者にノクスになる権利が抽選で与えられる。どちら側として生きていくべきか、メインキャラクターである少年と少女のそれぞれの葛藤と決断がとても良かった。重いテーマだけど少しだけ希望も見える話。良いSFでした。
2020/06/11
ヨコツ
近未来SF。同著者が漫画原作をやっていた『リヴィングストン』が好きだったので読んでみる。…が、うーん、中途半端に終わってしまった。俺たちの冒険はこれからだぜ!どころかジャンプで言えば10週打ち切りみたいなもんで、話を広げ切る前に畳んでしまったような物足りなさでいっぱいだ。まあ200頁そこそこじゃここで終わらせざるを得ないけどもっと書くことあったんじゃないの?という感じ。ちょっとがっかり。しかし次回作にも期待。
2016/03/29
レア
面白かった。舞台も映画も観てないけど映画も観てみたいな。感染症を克服し強靭な肉体と最適な住環境を手に入れた、太陽の下で生きられない〈ノクス〉か、感染症に怯えながらノクスの施しなしにはまともな社会生活も送れない、太陽の下で制限なく生きられる〈キュリオ〉か…どちらが幸せなんだろう。「同じ時間を生きたはずなのに…君だけが時間を進んでいる」「当たり前だ、お前らには夜明けがねぇからな…太陽が昇って沈んで、一日だ」カネダと草一のやりとりが心に響く。ノクスになった結と草一の対面も切なかった(ノД`)
2024/05/24
はげまる
映画を観て。ウイルスにより人口が半減し、耐性を持った新人類が社会を牽引する近未来SF。語られるのは旧人類側。閉塞された村社会、人間の自分勝手さ、感情のすれ違いの面倒さ、私達は何故こんなにも非合理なのだろうか、と思ってしまうのだが、それは横に置いておいてしまおうと思える。嫌なことが全て、でもない。欠点だらけの私は、幸せを求めるのではなく、自分が幸せだと思える瞬間を作ることを考え続けなければ。映画版は古舘寛治さんが素晴らしかったです。もともとである舞台も観てみたい。
2016/10/13
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