ぼぎわんが、来る
ぼぎわんが、来る / 感想・レビュー
starbro
日本ホラー小説大賞受賞作を毎年楽しみにしています。本作はオーソドックスなホラーですが、テンポも良くゾクゾク感を擬音語・擬態語を交えて上手くまとめています。「ぼぎわん」は外来種でした。但し、こじんまりした感は否めません。来年は、過去の大賞受賞作(貴志祐介の「黒い家」や岩井志麻子の「ぼっけえ、きょうてえ」等)の様なハッチャケタ作品を望んでいます。また著者の受賞第1作にも期待しています。
2015/12/18
風眠
どんなに気をつけていても、人は間違えてしまう生き物だ。たとえ悪意がなくても、受け取る側を追い詰めてしまったりもする。優しさや思いやりは、ただの自己満足で完結していないか?「正しく自覚」するという事はとても難しい。イクメン秀樹と、妻の香奈、それぞれの育児への視点とくい違い。そのくい違いが人の隙間になり、魔は入り込む。嫁というのは我慢する、だから優しくしてやりなさいと言った祖母の言葉、人さらい系の言い伝え、そしてその歴史と真実。ただ怖いだけではない、人が生み出した魔と、その結果の哀しさについて考えさせられた。
2016/02/01
nuit@積読消化中
こ、これは和製デッドリースポーンか!?と思われる乱杭歯のお化け。それだけでも早く映像化してクリーチャーをビジュアル化してみせて欲しい。個人的にはもう少し民俗学的要素を掘り下げて欲しかったところではあるが、それを上回るエンターテイメント性に一気に読まずにはいられなかった。さっそく続編?を読むとします。
2017/03/31
nobby
ぼぎわん、怖いよ…迫り来る危機の場面と、幼少時の記憶に残る恐怖体験、この冒頭2つからその正体がひたすら気になる。民俗学や伝承から徐々に予想する名称の由来にはなるほど!それでも得体の知れぬまま迫り来る様は不気味に圧倒され絶望的…それを人が自ら作ったスキマが呼ぶ設定が深い。何しろ巫女なアドバイスは「優しくしてあげてください」とは…いざ退治編な第三章は、ただのホラーにとどまらず伏線たっぷり回収で面白い!しかし最後の「さお…い、さ、むあ…んん…ち、が…り」は怖すぎる…
2017/04/27
chika
流石、日本ホラー小説大賞作品!秀逸ホラーエンタメです。3人の語り手の3章構成で、ジワジワダークな世界に誘われます。魔導府であれを呼ぶあたりは、体感温度5度下がりました。(^o^)/つのだ先生の伝説の漫画、「恐怖新聞」澤村版の印象。ぼぎわん、恐るべきブギーマン(≧∇≦)
2017/06/17
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