無花果とムーン (角川文庫)
無花果とムーン (角川文庫) / 感想・レビュー
ソラ
全体的に息苦しさとか閉塞感漂う展開。月夜が当初と比べるとだんだんと追い込まれていく様は読んでいてなかなかに辛い。それだけに最後のイチゴ先輩など周りの人とのやりとりが良かったと思う。
2016/02/28
PEN-F
妖しくて不思議な感覚だなぁ☺️ 月夜の言葉がふわふわと空から降ってくるような....。
2021/01/31
Yobata
無花果町の紫の瞳を持つ月夜は、大好きなお兄ちゃん・奈落を目の前で亡くしてしまう。それから始まる奈落を思わせる幽霊との夏休みが始まり、ギリギリの淵に立ち続けることに…。18才から19才へ,子供から大人へ進んでゆく段階の少女が亡くなった最愛の兄に対して秘密を抱えながら現実に藻掻き葛藤していく描写はさすがの桜庭さん。周囲の人から演技くさいと罵られ,離別を味わいながらも、何も感じていないようにだんだんと兄のいるあの世の淵へ進んでいってしまう陰鬱さにどうしようもなさが、貰われっ子であるという自分の存在の曖昧さを→
2016/02/07
まめ
「さよなら、ぼくのパープル・アイ。生きて、元気に暮らせ。もう逢うことはないだろう」以前目にしたこの一文が心に留まり、読み始めた。最愛の兄・奈落を亡くした少女・月夜の、揺らぎと哀しみを描いた物語。死んだお兄ちゃんがいると訴える月夜との距離を掴めなくなる家族や、ドロドロとした人間関係が現実的。故人に対する心の距離感の測り方は人それぞれだから難しい。「最愛の人の死」という重いテーマではあるものの、個性の塊のような登場人物や舞台設定によって、どこかふわふわとした雰囲気が漂う。陰鬱さと浮遊感のバランスが絶妙な一冊。
2016/02/02
sssakura
『私の男』に出てくる男の人が好みだったので、またあんな人出てこないかな〜と思って手に取ったら、出てきました!「すらりと長い足。ほっそり痩せて、背の高い体つき。横顔は妙に青白い」「目の端にいつも浮かんでる、いたずらっぽい独特の笑み」主人公と恋に落ちないかな、なんて思いながら読んでいました。大切な人を失って、でもそのことが受け入れられなくてもがく少女の悲しみが、痛いほどよく伝わってきて切なくなりました。あとがきで、アイデアが思いついた時のことについて書かれているのも、興味深かったです。
2016/03/27
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