この日のために (下) 池田勇人・東京五輪への軌跡
この日のために (下) 池田勇人・東京五輪への軌跡 / 感想・レビュー
それいゆ
1964年当時私は中学生でした。私の田舎でも聖火リレーが行われ、選ばれた人たちが参加しました。私はうらやましそうに見ていただけでしたが。10月1日に東海道新幹線が開通、10日は待ちに待った東京オリンピックの開幕。各国代表の入場行進、自衛隊機が青空に描いた五輪マーク、天皇陛下の開会宣言、廊下に置いたテレビで授業中に見せてもらったマラソン、後に観た市川昆監督の公式記録映画、すべて「ALWAYS三丁目の夕日」に出てくる世界でした。池田勇人総理については「所得倍増計画」という言葉しか知らない中学生でした。
2016/05/27
ゆみねこ
64年のオリンピック、この招致に奔走した田畑政治。それを機に日本の経済を立て直した宰相・池田勇人。下巻は読みやすく一気に読了。2020年のオリンピックも課題山積だが、何としても成功をと思いました。池田勇人さん、もっと長生きして欲しかったですね。
2016/06/22
ナミのママ
下巻に入りいよいよ実現に向かって動き出したオリンピック。東京五輪が開催されたということの裏に、政治がらみ、復興、海外との交渉etcこんな動きがあったと改めて知りました。記念のタバコや切手、あれは資金集めだったんですね。景気が良くなったからOECDに加盟したのではなく、先進国に仲間入りするための加入だったとか。そしてタイトル「この日のために」がオリンピックソングの曲名だったのも知らなかったです・・・。池田勇人氏の活躍だけでなく戦後がわかり、読んで良かったです。
2016/05/30
けぴ
上巻と比較して池田勇人の占める割合が高くなる。大蔵大臣から総理大臣へ。強いリーダーシップを発揮して口先だけではなく、自ら汗を流して働く姿は深い感動を感じる。東海道新幹線、首都高速道路、そして東京オリンピック。池田勇人がいなければ現在の日本も随分違ったものになっていたのではないか?沢山の人に読んで欲しい好著。勿論、幸田真音さんのベストワンと言えるでしょう!
2020/03/17
まつうら
(上巻の続き)この作品のもうひとつのストーリーは、総理大臣を務めた池田勇人の生涯だ。所得倍増を標榜し、日本の経済成長を政策として牽引した立役者で、夫人同伴の外交とか、マスメディアを駆使したPR活動とか、いまの総理大臣が当たり前にやっていることを始めた人でもある。これまでに戦後経済の物語をたくさん手にしてきたが、ソニーの盛田昭夫、開銀総裁の小林中、富士製鉄の永野重雄らの活躍は、池田の政策抜きには語れないことを知る。作中では触れられていないが、こんな大切な気づきを与えてくれた著者に感謝したい。
2022/08/15
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