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天上の葦 下

天上の葦 下

天上の葦 下

作家
太田愛
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-02-18
ISBN
9784041036372
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天上の葦 下 / 感想・レビュー

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MF

『天上の葦』読了。当初の予想より綺麗な終わり方をしたのが意外だったが、読み終えてみればそれは『犯罪者』『幻夏』そして今作がおそらく当初から3部作として構想されていて、今作の終わりが全体の結びでもあったからだと思えてくる。だから今後この3人が活躍する4番目の長編は容易に出てこないかもしれないと感じる。

2017/05/20

ウッディ

言論の自由を守る為に自らを犠牲にした正光の意思を受け継ぐ有志の助けにより、曳舟島から脱出した遣水、相馬そして修司。でっち上げられた冤罪の証拠を効果的に使おうとする3人と握り潰そうとする公安前島の戦いは手に汗握りました。このシリーズの魅力は、矜持を持ち、正義を貫く人がいること。世の中捨てたもんじゃないと思わせる爽快で心温まる結末でした。面白かったです。BGMはDavid FosterのThe color of my loveでした。https://youtu.be/Tu_nvOXqkrw

2018/08/12

NADIA

太田愛三部作の最後の作品にして最高の作品。多くの読友さんのおススメの作品。読む前からかなり期待が高かったのだけど、その期待を軽々と超えた作品。本当に心が震えた。さほど昔とは言えない日本の目を背けたくなる真実。そのことを私たちはもっと意識しなければいけない。三部作通してブレない正義。それを傲慢さで踏み潰しにかかる権力。前作までの二作は読後感が合格点ぎりぎりというラストだったが、今回は快哉を叫びたい爽快さ。これは多くの人に是非とも読んでもらいたい作品だ。勧めてくれた読友さん達、どうもありがとうm(__)m

2018/05/09

nobby

何と魂揺さぶられる作品なのか!徐々に絡まり明かされる事実には辛く哀愁漂うも、実際に70年前の戦時中の日本で行われていたこと…そんな馬鹿げたと呆れることなかれ、現在にも重なる報道もとい国家の在り方などにハッとする…物語は鑓水ら3人を究極に追い詰める権力の横暴ぶりに葛藤するばかりだが、ギリギリすり抜けていく興奮に加え、関わる島の面々の情と優しさに接して心熱くなる。「火は小さなうちに」この警告の重みは戦争の残酷さを目にした人物の言葉だからこそ。正光が指差した空が明るい物であったことを噛み締め、暫し余韻に浸る。

2017/08/13

ミエル

下巻は各所で起きた火種が繫がり、事件の全貌とその収束作戦で一気に疾走。逃亡と捜索、島の因習の件がちょっと長めに感じるけれど、無事にリアリティを消さずに着地する筆力に唸る。圧倒的な情報量を消化し作り上げた本作は、今のところ2017年のベストかも。知れば知るほど重苦しい歴史と戦火時の閉塞感に息がつまり胸が苦しい。言論報道の自由を揺るがす共謀罪へのアンチテーゼとのこと、一刀両断に善悪を語れないこの法律について改めて考えさせられる。

2017/09/07

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