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採薬使佐平次 (角川文庫)

採薬使佐平次 (角川文庫)

採薬使佐平次 (角川文庫)

作家
平谷美樹
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2015-10-24
ISBN
9784041036556
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採薬使佐平次 (角川文庫) / 感想・レビュー

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やま

採薬使佐平次シリーズの1作目。2015.10発行。字の大きさは…小。 植村佐平次は、将軍吉宗が紀州から連れて来た御庭番で、駒場薬園で採薬使として薬草の管理をしている。 採薬使は、諸国を旅して薬草等を採取・研究した者(特に有名なのは阿部将翁)である。これを御庭番としたのは、作者のフィクション…。佐平次たち採薬使は、享保17年(1731年)に起った享保の大飢饉が冷害と害虫によるものであるが、その実態を調べる。その裏で吉宗への批判が強い尾張徳川家が、害虫を飼育して繁殖し、それを国中に広めようとしている疑いが……

2020/01/01

カノコ

読むのに時間が掛かった。タイトルから、植物学者の話かと思っていたのだが、全然違った。採薬使とは、謂わばお庭番。吉宗お付きのお庭番である佐平次が、大川に上がった斬死体の謎を追う。その裏には享保の大飢饉の問題があり、尾張藩主の影あり。話題は盛り沢山、そして非常に実直な内容。派手さはなく、読んでいてちょっと退屈ではあったのだが、堅実な内容は中々面白かった。もっと植物の話題を絡めてくれると好みだったのだけど。

2017/01/10

onasu

8代将軍吉宗配下のお庭番、本草学に通じた植村左平次とは、実在の人物で薬草を求める旅にも出ていたというから、話の種にするには格好。(最後に切った張ったがあるのも水戸黄門の助さん、格さん!) 駒場の御薬園という舞台に、享保の飢饉も絡めてというのも流石は小説家の着眼点!  ただ、ストーリーとしては尾張公を絡めての大事とするより、駒場の御薬園という折角の舞台をもっと生かした、小ぶりでマニアックな色合いの作品とした方が好みだったな。

2022/03/11

イシカミハサミ

史実に虚構を混ぜ込んだ壮大な物語。 序盤はあまり採薬使というのは関係なく、 普通の捕物帳のような展開。 第四章あたりから採薬使として動き出す。 これだけの物語なのに、 実際の歴史の動きの中にうまく溶け込む。 鉄の王のシリーズもこういう展開がよかったな。 腕にすぐ訴えるのでなく、思想のぶつかり合い。

2019/09/15

tako

初読みの作家さん。なかなか面白かった。大川で上がった男の死体の探索から調べを進めるうちに少しずつ事件の輪郭が見えてくる様子がスムーズで引き込まれる。享保の大飢饉と吉宗・宗春の確執を結びつけたストーリーも興味深かった。終盤の斬り合いのシーンにもうちょっと迫力があったらよかったな。あと、登場人物の外見を想像させる描写ももう少し欲しかった。主人公の佐平次もいいけど、八十ニ歳の老採薬使・友之進さんがカッコよかった。ヤマモトマサアキさんの表紙イラストも素敵。シリーズ化されてるみたいなので続きも読んでみよう。

2016/02/26

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