幻坂 (角川文庫)
幻坂 (角川文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
読み友さんのお奨めで読みました今月2冊目の本で、有栖川有栖さんの非ミステリー作品集の創作怪談全9編は古風な古の風情が感じられる文学小説の趣が新鮮でとても面白く読めましたよ。どうもありがとうございました。大阪にある天王寺七坂を舞台にした現代怪談7編と過去の時代の出来事を題材にした2編で構成された一冊で、著者は論理を積み重ねたミステリーから離れて自由に大人の人生の物語を紡ぎ伸び伸びと書かれている様にお見受けしましたね。本書に出てくる幽霊達は怖さは程々で、殆どが「優しい幽霊」ですので心穏やかに読了できましたね。
2021/11/30
とし
大阪七坂巡り、7月に行く予定だったのですが所用で行けなくなり参加した友人より「幻坂」紹介してもらい読みました。不思議な物語でしたが興味深く読むことができました、是非とも歩いてみよう思いました.
2018/09/07
takaC
単行本が出た年の秋分の日七坂ツアーに参加できなかった自分は約1月遅れで単独ツアーを催行したのでした。そんな縁もあってこの作品への思い入れはとても深いのです。
2017/04/25
hiro
大阪ほんま本大賞ということで読んだ。アンソロジー以外で初めて有栖川さんの作品を読んだ。大阪の上町台地にある天王寺七坂を舞台にした九編の怪談短編集。以前通勤で上町台地の坂を上り下りしていたが、天王寺七坂のことを知らなかったので、読了後実際に歩いてみた。天王寺七坂は石畳の狭い坂が多く、寺社、墓地、学校、住宅地に囲まれ、他の上町台地の坂道とは雰囲気が違う、怪談話の舞台にもなりそうだと感じた。短編九編の中では、芭蕉を描いた『枯野』、それに『天神坂』と『口縄坂』が印象に残ったが、実際口縄坂に猫がいたのには驚いた。
2019/02/16
おかむー
『怪談』との触れ込みだけれど、どちらかといえばファンタジー寄りかな?ついったーなどで評判…なのだけれど、ちょっぴり俺にはしっくりこなかったな残念。『もうすこしです』。大阪の“天王寺七坂”を舞台にした短編集でも九篇(笑)。個人的に知らない土地の地理の事細かな描写というものがまるで頭に入らないタチなので、大阪の街並み案内を羅列されても目が滑るばかりでかなり醒める。物語としてほんのり怪異そこはかとなくノスタルジーといった感触は悪くない。ただ最後の“坂”から離れた二話は俳句心がない俺にはまるで響くものがなかった。
2016/02/15
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