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望み

望み

望み

作家
雫井脩介
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-09-05
ISBN
9784041039885
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望み / 感想・レビュー

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starbro

雫井脩介は、新作中心に読んでいる作家です。フィクションでありながら、ノンフィクションのような心理サスペンス、一気読みしました。著者の新たな代表作としても良いかも知れません。高校生の息子を持っている以外にも、主人公家族と多少共通点があり、同様の事件が自分たちに起きたらどうするか、身につまされる思いで、色々考えさせられました。

2016/09/28

ウッディ

高校生の息子の行方不明と時を同じくして起こった殺人事件。徐々に、息子が事件に無関係ではないことが明らかになってくる。連絡を絶った息子は、事件の加害者なのか、それとも被害者なのか?殺人犯であっても生きていてほしいと願う妻、息子が殺人を犯すよう人間ではないと信じる夫。いずれであっても、家族は被害者でしかありえない。実際に体験したかのようなリアリティで、家族の心を揺れが描かれており、ラストまで一気読みでした。もし自分が同じ立場だったら、どちらが「望み」なのか、考えさせられる小説でした。面白かったです。

2018/02/28

hit4papa

行方不明となった高校生の息子は、殺人事件の加害者か?それとも被害者なのか?息子が生きていれば加害者であることを、被害者であれば死んでいることを意味します。この二者択一に、父と母の心は千々に乱れます。罪を犯して欲しくないと思う父。生きていてくれることだけを願う母。本作品は、もし我が子であったなら、という問いを突き付けます。丹念に描かれた登場人物たちの心の動きに、胸をつかれてしまうでしょう。いつの間にかすれ違ってしまった親子の、いずれ分かり合えていたはずの思いが、辛くのしかかってきます。名作です。

2016/09/19

まちゃ

ラストの切ない結末に涙が頬を伝いました。息子の無実を望む父親と、犯人であっても生きていて欲しいと望む母親。同世代の子供を持つ親として、「望み」という題名の意味が胸に迫る物語でした。今年を締めくくるにふさわしい力作でした。

2016/12/30

milk tea

読んでいくにつれ、「望み」の深さを知ることとなる。加害者でも生きてて欲しいと願うのか、人を殺すようなそんな人間ではないと信じたい、たとえ最悪の事態が待っていようとも被害者であることを望むのか。親として、気持ちが両方に大きく揺れ動く。結果がどっちであっても幸せは取り戻せない。こんなに悲しいことはない。

2017/03/16

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