つめたい転校生 (角川文庫)
つめたい転校生 (角川文庫) / 感想・レビュー
mihya
単行本「人外境ロマンス」を文庫化で改題。元のタイトル通り、人と人外との淡い恋にミステリー要素をちょっぴり加えたファンタジー。可愛らしく、ほろ苦く、何だか和む。読みやすくて楽しかった。
2023/06/02
スカラベ
人と人でないものとの恋愛を描く6つの短編集。最初の「かわいい狙撃手」は、ふふっ、やっぱりそうか!とほっこりとして終わり、次の「つめたい転校生」ではミスリードも加わり意外な結末にきゅんとなる。そして最後の「ちいさいピアニスト」では、それまでの流れからてっきり・・と思い込みが先行してしまい、すっかり術中にはまり騙される。構成も実に鮮やかで見事な作品群。ベストは「いとしいくねくね」。あの怖い都市伝説のくねくねをモチーフとし、恐怖を超えた切なさの余韻と言葉の持つ重さが心をいつまでも揺さぶる。
2018/01/06
yukision
人と人でない者とのファンタジーラブストーリー,6編の短編集。どれも不思議な世界だが,妖しさよりも優しさや可愛さが感じられて,結構好み。どれも良かったけど,「いとしいくねくね」「はかない薔薇」「ちいさいピアニスト」と後になるほど気に入った。
2022/01/19
のっぱらー
ファンタジーとミステリーの融合は、物理トリックの雄、北山猛邦のもうひとつの得意技。以前に読んだ「私たちが星座を盗んだ理由」にも通ずる、なんとも不思議ながら、ゾクッとしたりほっこりしたりのストーリー展開に、サクサク読了。こないだ出たタイガの新刊もぜひぜひ読んでみたい。
2016/04/30
よっち
気になる彼の正体は殺し屋?倉庫から突然消えた転校生、自分の身の回りで起きる不審死など、人でないものとの切ない出会いを描く連作短編集。ミステリ要素も交えつつ、人でないものとの出会いや交流、別れが読みやすいテンポの良い文章で描かれていて、どうしても重くなりがちなテーマで意外な視点を提供したり、ほっこりするようなテイストで描かれた作品もあったのはわりと新鮮でした。ハッキリとした結末を提示するばかりでなく、読者の想像に任せるようなスタンスもまた味わいのある読後感に繋がっていて、これはこれでなかなか良かったですね。
2016/04/25
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