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オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ (角川文庫)

オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ (角川文庫)

オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ (角川文庫)

作家
森達也
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-06-18
ISBN
9784041041079
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オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ (角川文庫) / 感想・レビュー

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夜間飛行

エスパー、霊能者、超心理学者への取材ルポである。オカルトへの関わり方として、面白半分に持て囃したのち罵詈雑言を浴びせる…といった過去の受容態度を批判。肯定も否定もせず素直に耳を傾ける本書のスタイルは好ましかった。怪現象を見に行ったり実演してもらう際の緊迫した空気や、不意に斬り結ぶ会話もなかなかに刺激的だ。見えづらさや検証しづらさに直面した時、現象そのものを否定するのではなく、周囲との関わりの中で見直す姿勢が大切である…という主張は、量子論以後の時代では普通に思えるが、この考え方もまだ常識にはなっていない。

2020/11/26

みっちゃん

結局あるのか、ないのか、は「わからない」でも「ない!」と言い切ることも不可能。もやもや、もするけれど筆者のこの立ち位置は好ましくもある。わからないから恐い、そして面白いんだよね。

2021/09/14

へくとぱすかる

超常現象は二重に隠されている。1冊を読み終わって、高野和明さんの解説の言葉を借りれば、そのように言えそうだ。解明を進めようとすれば、かえってすり抜けていき、研究が少しも進まない。超能力者の意思が現象を左右するのではなく、現象自体がそのような状況を作り出す? ドキュメントを取材した森さんは、テレビ番組の企画という枠を越えて、きわめて客観的にとらえようと努めたはずだが、現象に翻弄されていくかのようだ。石川幹人教授との会話が刺激的である。この宇宙の「バグ」は果たして存在するのか。オカルト本としてはテーマが重い。

2020/12/29

GAKU

スプーン曲げ、イタコ、幽体離脱、UFO等オカルト、スピリチュアルに関わる専門家達へのルポルタージュ。筆者はあくまでも冷静に分析しています。インチキ、トリックのものもあれば、どうしても真実としか思えない現象も。結局のところは「真実」か「インチキ」か分からないというのが結論。しかしそこまでにいたるこの著作には強い説得力を感じた。やはり科学だけでは割り切れない何かってあるんですかね。ちなみに私は今まで一度も、そのような体験はしたことがありません。

2016/10/19

ホークス

超能力、霊魂、UFO等の当事者に取材したドキュメンタリー。「撮ろうとするといなくなる。視線を逸らせば小出しにまた現れる」「結局はわからない」と言いつつ著者は諦めず、事の真相を執拗に追う。この探索が面白いのだが、著者の執念に別の意味を感じてしまった。オカルトは論理に反するとされるが、誰しも「理屈じゃない信念」や「経験者しか分からない真理」を持っている。実人生で論理は貫けず、人間は環境や感覚のバイアスに塗れて生きる。本書は人間のそんな境遇を、オカルトという鏡で客観化した力作だと勝手に思った次第である。

2018/07/29

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