採薬使佐平次 吉祥の誘惑 (角川文庫)
採薬使佐平次 吉祥の誘惑 (角川文庫) / 感想・レビュー
やま
採薬使佐平次シリーズの3作目。2016.05発行。字の大きさは…小。ことの発端は、吉原で花魁と床入りを前に飲んだ薬(宝相薬)により肥前屋徳兵衛が死んだ事である。南町奉行所同心・長坂省吾は、その薬を採薬使・植村佐平次に見せると、中身は閨房薬と一度、味を占めると死ぬまで逃れられなくなる阿片の一種であるが分かる。宝相薬を吉原を始め江戸ご府内で売っている者たちを摘発して行くと、陸奥国の大名家に行き当たる。佐平次たちは、陸奥国へ行くと、そこにはイギリスの商船が隠れ港に留まって宝相薬を作っていた。佐平次はどうするか…
2020/01/03
kei302
危険ドラッグが江戸で蔓延! アヘン戦争の何年か前、日本で試そうとしていた商人がいたという設定に驚いた。省吾の家で働くおまさが巻き込まれて、手に汗握る大乱闘。 耕作地が少なく困窮している藩が企んだ金儲け、よくないことだけど、そこまで追い込んだ吉宗や幕府にも責任はあると思う。 植村佐平次は実在した採薬使、伊勢国大津杉村(現在の松阪市飯高町 飯南かも)「諸国採薬記」などを残している。
2022/04/05
onasu
初巻の折には、駒場御薬園ならではの小ぶりな作品を所望して、それはそれで変わらないが、ぐいぐい読ませる作品の力とでも言うのか、それには次々と舞台を代えていくスピード感が大きな要素となる。そのおかげで、夜更かしを余儀なく…。 採薬使としつつも、お庭番でもある左平次を主役としているので、今回も大名家の関わる薬草絡みの事件を追うことになるが、外国語(方言も!)に堪能な者がいたり、伝書鳩を使って言伝を伝えたり、吉原の花魁に見得を切らしたり、勿論最後の大立ち回りもあって、飽きる暇がない。以降の続編がないのが残念。
2022/03/16
イシカミハサミ
イチから話を組み上げていく1章と、 大きく巻き込んでいく2章の全2章立て。 始めは身近なところから事件が展開していって、 これが3巻なんだけど、これから読んでも問題なさそうな内容。 2章は抜け荷の話が絡んできて一気に国際問題に。 いろんな勢力が混ざり合って、 合理的に話が進んでいるのかどうかも判断しづらい頭のいい話に。 できれば前半みたいな展開が続いたほうが読みやすいんだけど、 と思いつつ。 後半みたいな展開を用意できるのが平谷さんの強みではある。
2020/11/15
チャーリー
テーマは面白かったが、最後の決戦から終息がホームドラマ的と思う。
2017/09/05
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