にぎやかな未来 (角川文庫)
にぎやかな未来 (角川文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
筒井康隆さんの初期のSF短編集。著者は毒の強い作風で相当にブラックで意地が悪い話を多く書かれていますので読者の好き嫌いが分かれそうですが、まあ当然ながら嫌な話ばかり書くのはご本人も精神的に辛いと思いますし事実いろんなオチもあり私は発想の転換の意味で作品を楽しむ読み方をしたいと思いますね。『にぎやかな未来』未来社会ではラジオのFM放送の途中でCMが入り、外へ出てもスピーカーがCMソングを流してうるさくてイライラする。政府は公共放送のCM料金を値上げし国民全員がステレオを一日中つけっ放しにする事を義務付ける。
2022/05/09
zero1
古いSF短編集だが、私が確認したかったのは断筆宣言につながった「無人警察」(後述)。今読んでも何も問題はない。解説は日本におけるショートショートの第一人者、星新一。「お助け」について【無色透明の残酷さ】と評価。この作品は乱歩編集の「宝石」に掲載され、商業誌デビューだったと述べている。筒井氏のことを【我が国はじめての真の意味の「大衆」作家】とも。習作と呼ぶような作品もあったが、後の作家たちに大きな影響をもたらした。図書館では除籍が近い79年出版の本を今読む意味あり。光る作家の作品は、いつ読んでも光っている。
2020/02/25
扉のこちら側
2016年501冊め。表題作は、現代ではポップアップ広告のうっとうしさに置き換えられるあるある感。一番おもしろいと感じたのは「お助け」なのだが、これが商業誌第1作だという。さぞかし鮮烈なデビューだっただろう。たった5行の「到着」は、おもわず2度3度と読み返してしまった
2016/07/01
おいしゃん
いまから40年前に書かれた寓話集。表題作は何をしててもコマーシャルが挟み込まれ、静寂を手に入れるには多額の支払いを必要とする、という世界。あれ、なんか現代と似ていて笑うに笑えない。
2016/09/26
さっとん
41話も入った盛り沢山のショートショート。 未来の話を書いたSFとホラーが中心ですが、そのどれもにブラックユーモアが効いていて面白い。 そして何より半世紀ほど前に書かれたというのがスゴイ! 未来の話だからこそヘタすると古臭さを感じるのにそれを感じさせない先見性と筆力には脱帽です。
2020/02/10
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