八月の六日間 (角川文庫)
八月の六日間 (角川文庫) / 感想・レビュー
yoshida
仕事や生活で磨り減った気持ちを、登山で洗い流す短編集。主人公の女性編集者が凛として素敵です。仕事や生活という日常、登山という非日常、この差異が登山の魅力の一つかと感じた。主人公と様々な人との出会いと別れ。永遠に会えなくなる人もいれば、山で出会う人もいる。人は人生で何かを成すには、あまりに時間は短い。しかし後から同じ道を歩いてくれる人がいる、救いがある。この一文が心に響いた。作中に裏磐梯が登場し、会津出身の私は情景が目に浮かぶようだった。この作品を読むと登山がしたくなる。登山が趣味の同僚に相談してみよう。
2016/08/20
おしゃべりメガネ
先日、ふとしたコトから山岳モノを立て続けに読了し、こちらの作品を思い出し、手にとりました。湊さんの『山女日記』とカブる感じがしますが、それはそれとして主人公の女性編集者の生きざまが本当にまっすぐで良かったです。物語の流れで主人公も年齢を重ね、仕事での立場も変わり、色々と考えさせられる場面もありました。登山に関する描写も道具や食事、天候に関する描写がとても読みやすく、やはりこういう作品を読むとド素人の私でも、勇気を出して山登りにチャレンジしたくなります。いつかきっとこの世界観がわかるようになりたいですね。
2018/03/13
SJW
書かれているのは5つのコースで、その内3つは北アルプスの人気コース。季節やコースの若干の違いはあるものの4つのコースに行ったことがあり、装備も似ていることからワクワクしながら読み始めた。しかし、少し癖のある文章のせいか、さくさく進まず戻って読んだりして読むのに時間がかかってしまった。また1つ目のコース(表銀座)では自転車ロードからの美しい燕岳や危険ながらも知らないのは勿体ない東鎌尾根の難所が描写されていないのは不満。それから計画がずさんで山小屋に到着する時刻を地図と自分の体調から計算できないのに単独行
2017/10/14
ももたろう
表紙の絵バーバラクーニーみたいで素敵。主人公は本の編集者で多くの情報を浴びたり作家さんとか多くの人との交渉や関わりが多くて…だから1人になって静かに自分と向き合って心を整理する時間が必要なのかも。山でも会社でも自分が立つ位置で見える景色が違う。苦手な人もいるけど素敵な出会いも助けてくれる人もいる。自分の体と心を感じてバランスを取る。準備はしっかり。焦らない。丁寧に。無理はしない。ユーモアを持つこと。小さな楽しみを持つことが大切ってコトだよね。題名は八月だけどいつ読んでも大丈夫。読後がとっても清々しいです。
2016/11/15
相田うえお
★★★☆☆17076 しばらく積んでて8月になったら読もう!と開いたら9月,2月,10月,5月ときて、やっと8月かい!あえて8月にこだわって読み始める必要もなかったかな。これ読んでると、意識してるわけではないのですが頭の隅に湊かなえさんの山女日記が。。まあモチーフは近いんですが異なる攻め方だったので楽しく読めました。山。。好きです。。ただ山登りじゃなくて当方は山降り。美しい雪景色見ながらスキーで降りていく、といってもダラダラじゃなくて爆走ね。風や加速度,振動を体で感じるんで痺れる〜。
2017/08/10
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