シュンスケ! (角川文庫)
シュンスケ! (角川文庫) / 感想・レビュー
巨峰
伊藤俊輔のちの伊藤博文の若き日を長州藩の消長と共に描いた歴史人物小説。綺羅星のような輝かしい人物が登場するが俊輔は誰よりも明るくそして前向きだ。いつかこの人を主人公にした明治期の小説も読んでみたいです。
2019/02/22
mint-s
伊藤俊輔、のちの伊藤博文の物語。百姓の家に生まれた俊輔。楽天家で柔軟な姿勢が幸運を呼ぶのか何度も窮地を脱し上っていく。物事を大きく捉え先を見通す力がずば抜けていたんだなぁ。幕末の混乱の時代を高杉晋作や山縣有朋らと共に駆け抜け、新しい国家をつくろうと生きぬく様を驚き唸りながら楽しく読み終えた。その後、初代内閣閣僚一覧を見て「おー!」となった。
2018/11/08
如水
伊藤博文が博文と名乗る前の話=俊輔として幕末期に何をしてたか?が題材の御話。僕にとってあんまり良い印象を持たない人物💧ですが、コレが本当なら何と思慮深く、冷静にその時その時を生きていたか❗️話のキーは『すとらぐる(小説内ではひらがなでしたので)』。藩内、幕府、世界から生き残りを掛けてシュンスケが己のなりたいモノになる為駆け回る、と言った所です。ん〜、絶妙‼️と思ったのは今の松下村塾の評価をそのまんま描いている所。昔の人は『はっ💢』と立腹されるでしょうが、最新の研究評価を違和感無く伝えてます👍
2020/05/28
キャプテン
★★★★☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1885年明治時代─内閣制度編】楽天家であり天性の政治家、国家の宰相を目指す伊藤俊輔殿。後の伊藤博文、初代内閣総理大臣である。長州藩の戦いをくぐり抜け、国家に立ち向かうシュンスケ。現日本の骨格を作った一人。侍であり、ある意味で侍を滅ぼしたうちの一人。〝内閣〟という言葉には、侍の世が終わったことを示す意味が込められた。内閣を生んだ者たちの熱き血潮が今も流れていることを信じているでござる。拙者……いや、時代が変わるのだから、〝俺〟も侍言葉をやめることにするよ。
2018/04/03
kawa
伊藤博文が主人公ということで、近代日本をかたち創った明治の世の丁々発止を期待して手に取ったのだが、維新前の伊藤が描かれ、やや肩すかし。しかし、従来にない伊藤像や松蔭に対する辛口の描き方は面白い。徳川300年の泰平は多くの武士の精神を骨抜きにしたが、少数残った気骨の人や「そうせえー」公と揶揄される毛利のお殿様のような貴人の存在なくして、後の博文の飛躍のきっかけとなるイギリス密航が実現しなかったことに歴史の妙を感ずる(多分に結果論なのだが)。
2019/09/27
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