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微睡みの海 (角川文庫)

微睡みの海 (角川文庫)

微睡みの海 (角川文庫)

作家
熊谷達也
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-09-22
ISBN
9784041043349
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微睡みの海 (角川文庫) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★☆☆ 心持ち怪しげなカバーデザインだったので、これ熊谷せんせーのだよね?と、ちょっとびっくりしたんですが、内容もびっくり。最近の作品舞台になっている仙河海市ではあるんですが、今までの作風にプラスして、えー?こんな描写を熊谷先生がしてしまっていいの?みたいな感じでドキっとしてしまう部分がちらほら。ここは昼間っから皆さんにコメント出来ません。とかなんとか色々ありながら結局はやはり3.11モチーフを忘れずに入れてます。人って喉元過ぎれば何とかほにゃららじゃないですか。あんな悲惨な出来事が起こったのに。。

2016/10/08

じいじ

35歳の独身女性の激しい恋…ということで読んだ。「二兎追う者は一兎も得ず」の諺があるが、笑子の不倫の恋と年下の青年二人との恋の行方が愉しみだ。まず、読みづらい文体に手こずった。話の途中で度々脱線する。昔を回顧して腰を折られてしまうのだ。根幹の恋ストーリーが良く描かれているだけに残念だ。笑子の男を手玉に取るSキャラの面白さ、仕事ができる女の複雑な胸中―抑えきれない性への渇望、昂揚感、満足感、その反面相手の家庭を壊すことへの罪悪感、自己嫌悪が重複して面白い。でもこの笑子、同性は拒否するだろう…とふっと思う。

2017/07/14

しいたけ

かつての教師貴之と、かつての教え子祐樹との間で微睡む笑子。恋に身を焦がすこと、突き放すこと。支配すること、支配されること。奪うこと、与えること。生命の輝きに身体を震わせること、死への扉の奥を覗かずにはいられないこと。過去と現在。海の満ち干きのように笑子の中を流れる時は、3・11のあの海に向かっていく。人々が重ねる日常の傍にあった微睡みの海を、あの日狂った波がのみ込んだ。明るい終わりに、かえって沈痛な思いが深まる。「すべてが破壊されても消せないものがあるとわたしは信じている」消せるものなど、何もないだろう。

2016/10/11

ジュン

図書館本。美術館で働く元教師の笑子が主人公。元担任、元教え子と関係を持ち微妙な三角関係が続く。教師を辞めると決意した経緯や、現状の微妙な関係で揺れる女心を描く。以前読んだ「邂逅の森」で作者への期待値があがったせいか、あまり心に響かずあっさり読了。

2017/06/24

James Hayashi

仙河海サーガ。たぶんこのシリーズ始めてであろう。今迄の著者の作品からは異なる作風。東北の港町の美術館で働く女性学芸員。彼女の三角関係の様な生活を描いていくが、終末は東日本大震災前日で終わっている。ヘタに読むと性愛だけのつまらない作品だが、芸術家肌の揺れ動く感情、心情を読み取るとユニークかも知れない。個人的には今ひとつ。

2020/05/28

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