現代百物語 因果 (角川ホラー文庫)
現代百物語 因果 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
ヒト怖な話が多いが、リアルに報道された事件に関連する話もあって、総じてヤバい感じがヒシヒシと伝わってくる。それでも志麻子さんの距離の取り方が巧くなってきたようで、ちょっと安心して読んでいられた。この巻は読み応えがあったなぁ。
2022/11/12
HANA
実話怪談集。相変わらず独特の路線を歩んでいるなあ。狂気系の実話怪談になるのだろうけど、他の狂気系が狂人が大通りでナタを振り回している怖さだとすると、このシリーズは隣人が包丁を研いでいるような怖さがある。そこにあるのはいつもと変わらない日常であるのだが、ふとした拍子に薄い膜が剥がれて何かが見えそうというか。他にも津山事件にまつわる都市伝説の実態とか、新しい事実も興味深いし。しかしこのシリーズ読むと我々の日常が、危ういバランスの上に成り立っているような気がして仕方がない。決してバランス崩したくはないけれども。
2016/06/29
坂城 弥生
なんとなくの共通認識は人間の本能が理由なのかな、と思った。「本能的にヤバイ」というものを見抜く力がやっぱり人間にも残っているのかな、と。
2021/02/28
J7(読メ低浮上中)
初読み岩井志麻子さんである。〝幽霊よりも恐ろしいのは人間です〟を地で往く怖い話集。現代社会の恐怖譚というと平山夢明の『東京伝説』みたいだけど、あちらは日常の側にあるアングラ、非日常なのに対して、岩井さんのメインとなるのは地に足がついた普通の人々の話が多い。隣の奥さんとか昔の同級生とか、なんでもない人々からポロっと、とんでもない話が飛び出してきて、そしてそれを語る時の、なにげなさが一番怖い。人間なんて悪意を隠そうと思ったら平気でできるのだと思うと、周りにいる普通の人々に対する意識が変わってしまいそうな恐怖。
2018/05/21
澤水月
怖いお話本としていつものように面白いのだが。“あの女”をたくさんは使えなくなったためか、他の著名な知人を用いたとおぼしき話の扱いのリテラシーに非常に危惧を感じた。特にある1話についてはこのジャンルの愛読者の多くが短絡的にある人物を想像してしまいそう…違うよ!と言っておきたい。その理由など書けないのがもどかしく、私小説をめぐり時折訴訟沙汰が起きる訳が体感できたような。「書く人間」が一番怖いのかも
2016/06/23
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