ドッグファイト
ドッグファイト / 感想・レビュー
starbro
楡周平は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。最近は経済小説が増えている感じがします。今回はアマゾンもどきとヤマト運輸もどきの対決ですが、かなりリアリティがあり、楽しめました。いずれにしても企業の論理でどんどんブラック化が進んでいるんじゃないかなぁ!買い物の楽しみは、利便性だけではない気がしますが・・・
2016/09/02
いつでも母さん
田舎に住む私にはネットでお買い物はとても便利!ちょっと車を走らせて大型店にも行く。だがその結果、地元はシャッター通りが増えた。いや、後継者がいないのも事実。80過ぎの実家の母の今後を思うと買い物難民だ。自分の30年後はどうなっているだろうと複雑な思いで読了した。かつて祖父は三河屋商売・対面商売を家業としていて手伝わされた記憶がある。活気ある時代だった。この作品はリアル企業ものなのだろうと思いつつ、どこか納得出来ない私を置き去りにして、郡司や堀田は今日もビジネスの闘いをするのだろうさ。どちらもがんばれ!・・
2016/08/31
utinopoti27
本作は、ネット通販の巨人スイフトと、宅配の雄コンゴウによる主導権争い(ドッグファイト)を描く。徹底した合理化と冷徹な労務管理で急成長を遂げたスイフトは、生鮮食品の当日配送に乗り出すことで、コンゴウを実質上の支配下に置くべく画策する。一方、スイフトの強引な手法に危機感を募らすコンゴウは、ある秘策に打って出るが・・。最近の実話をモチーフにしているだけに、とりわけ興味をそそられる。説明調のセリフは気になるものの、高齢社会への対応と商店街活性化に向けたヒントも示唆されていて、まさに『一粒で二度美味しい』作品。
2020/04/11
あすなろ
呑まれるばかりが運送会社ではない。運送会社は物量を増やしてやれば、運賃を下げる一方。そんな状況に陥った運送会社は、あるオールドビジネスモデルを復活させて起死回生を図る。そんな痛快物語。まずは楡氏は余程、運送業に思い入れがあるのだろう。運送業の作品は何冊目か?しかしこれは運送会社対ネット通販業の対決物語だが、シェア3割も絞められた価格決定権を譲り渡した業態が知恵を絞り、起死回生の利益水準高いビジネスを自ら発案出来る可能性を描いているとも言えると思う。その意味でも興味深かった。
2016/09/13
ユザキ部長
業界の話には疎い。この話は実話ですか?ネットニュースでヤマト運輸の配達の方がアマゾンの箱を見るだけでゲロ吐きそうってありましたが。話は変わりますがテレビ東京のガイヤの夜明けとか好きな人はオススメ。堀田さんの般若顔にはウケた。
2017/06/27
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