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小説智恵子抄 (角川文庫 緑 45-5)

小説智恵子抄 (角川文庫 緑 45-5)

小説智恵子抄 (角川文庫 緑 45-5)

作家
佐藤春夫
出版社
KADOKAWA
発売日
1962-02-01
ISBN
9784041045053
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小説智恵子抄 (角川文庫 緑 45-5) / 感想・レビュー

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パフちゃん@かのん変更

昔読んだ本が出てきたので、捨てる前に登録。1976

ダイキ

岩波文庫の『高村光太郎詩集』に引き続いて。精神分裂後の智恵子が九十九里浜で千鳥に貝殻を投げ与えようとしながら追いすがるところが殊に美しかった。『晶子曼陀羅』を読んだ時にも感じた事ですが、佐藤春夫の伝記小説は大近松の云う、「虚実皮膜」という事が見事に描き出されていますね。智恵子の通夜を歌った『荒涼たる帰宅』の「外は名月といふ月夜らしい。」という終りの一節は、詩集を読んだ際は呑気な世人に対する憤りなのか喪心の末の感傷なのか判然としなかったのですが、この小説を読んで後者であろうという事が判りました。

2016/06/12

桜もち 太郎

何となく知っていた智恵子抄。光太郎と智恵子の関係が可愛らしく、いじらしく、微笑ましく、そして悲しく、だけれどもどことなく清々しい。芸術を柱とし互いに支え合う二人。智恵子の晩年は統合失調症であったが、それでも心で結びついている二人。こんな夫婦関係が実際にあるなんてと感動。「東京に空が無い」と言う智恵子。二人で行った智恵子の故郷福島県二本松。光太郎に見せた本物の空。そんな空のような二人の関係だった。「智恵子抄」の背景を知る大切な一冊となった。

2015/04/14

seimiya

高村光太郎の詩集「智恵子抄」を小説化したもの。場面に応じて詩集の作品がいくつか引用されているので、そちらが未読でも問題なく読めた。光太郎と智恵子との夫婦生活が描かれている。知人の紹介による出逢いから、魂と肉体と2度の別れまでの軌跡。貧乏生活も愛の営みも一歩引いた視点から淡々と流れるように語られる。この作品はあくまでも詩集をもとにしたフィクションであるけれど、今は亡き仲睦まじい夫婦の残像を見ているようで少し哀しくなった。

2015/02/14

風鈴

壮絶な夫婦愛…智恵子抄読んでませんが。小説というより、小説の程を踏まえた佐藤春夫から見た高村夫妻への敬意の表れなのかな…と。某ゲームで「僕は僕の道を行くよ」と言っていた意味が、少しわかった気がします。別作で「小説・高村光太郎像」もあるようなので、そちらも読んで見たいところです。

2018/12/13

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