獄の棘 (角川文庫)
獄の棘 (角川文庫) / 感想・レビュー
しんたろー
大門さん7冊目。刑務所ものなので「重い社会派?」かと思っていたが、人情が絡んだ読み易い連作ミステリだった。主人公・良太の成長を絡めながら、所内で起こる事件を追う展開は1編が40~50ページという事もあって飽きることなく読めた。キャリア刑務官・名久井、先輩刑務官・秋村、白と黒を対比させた二人のキャラも単なる白黒ではなくグレーの部分もあって巧い。その分、良太の魅力に物足りなさを覚えた部分もあったが、刑務所の現状を伺え、その「在り方」も考えさせられて、著者の力量を再確認できた。出来れば、シリーズ化して欲しい♬
2019/06/18
takaC
いろいろ改変されているWOWOWドラマよりオリジナルの方が格段に深みがある。文庫化に際して単行本で違和感を感じた部分はしっかり修正されているし。最初は単行本(図書館本)と並べ読みしていたけれど途中で手放してしまったので、その後は文庫の単独読み。
2017/04/06
アッシュ姉
大門さん七冊目。ドラマ化のカバー付き本を購入。出演者の迫力ある顔面と「新米刑務官が刑務所の闇に迫る!」の帯に恐る恐る手にしたが、読みやすくて面白かった。先輩や上司から信頼を寄せられる若手刑務官が刑務所内部の謎に迫る連作で、重苦し過ぎずにミステリとして愉しめる。「親子三代で刑務官、生まれついての看守」にして普通の好青年である彼の成長をもっと見たいので続編希望。
2020/03/12
タイ子
大門作品の中ではひと味違う作品かも。弘前市の刑務所が舞台の連作短編集。新米刑務官の良太がキャリアの看守長から極秘調査を依頼される。悪徳刑務官を駆除し、古い体質の刑務所からの脱却を図る意味で彼らの裏の顔を申告するようにと。スパイ行為をするうちに先輩刑務官に助けられることも多く、彼の中で葛藤が始まる。刑務所が舞台だけに物語の範囲は狭いながら受刑者が引き起こす事件のその謎解きもなかなか面白い。表の顔だけではなく裏の顔も見ることで見えなかった真実が見えてくる。良太と彼女の遠距離恋愛が実りますように♪
2020/04/17
みゆ
『獄の棘』と書いて『ひとやのとげ』と読む、刑務所を舞台にした連作短編集。新米刑務官を語り手にして、看守業務のなかで起きる謎を解く。ベテラン刑務官の観察眼に『教場』っぽい鋭さを感じつつも、新米君やキャリア上司の言動にどうも波長が合わず、波に乗れないまま読了となってしまいました。自分残念(>_<)
2019/09/29
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