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孤篷のひと

孤篷のひと

孤篷のひと

作家
葉室麟
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-09-30
ISBN
9784041046357
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孤篷のひと / 感想・レビュー

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starbro

葉室麟は、新作中心に読んでいる作家です。茶人、小堀遠州の物語は初読です。千利休らに比べると小堀遠州の個性が弱いせいか、本作の対象期間が長く登場人物が多いせいか解りませんが、焦点がぼけている感じがします。いずれにしても茶人が政治力を持つというのは、特殊な時代だったんだと思います。アメリカの現代のティーパーティーに通ずるものが、あるのでしょうか?

2016/10/27

いつでも母さん

千利休との出会いから歴史に名を残す方々との事など、興味深く読んだ。決して前面に出ないのだが、人を離さぬのは茶で繋がっていただけではなく、人間・遠州の人柄なのだろうと思う。妻・栄と築いた自分の家族の事ももう少しあったら良かったかなぁとも感じた。『茶』とは闘い、駆け引き、祈り、秘めた想い、死生観・・なかなかに奥が深うございますね。お道具一つにしても・・なんにせよ、『道』を極めると言う事はなまなかな事ではないらしい。卒業かと思った葉室作品だが、読後は『静謐』な気分にちょっとだけ(汗)

2016/10/23

それいゆ

いつもの葉室作品とは少し趣きが異なる落ち着いた雰囲気が漂っていました。こういうのもありで決して否定するわけではないないのですが、見目麗しい女性が登場する田舎の小藩のお家騒動のような話が、やはり葉室さんらしい作品です。本作品の中でも、古田織部の娘の琴が登場する「泪」の章は、いつもの真骨頂が発揮されていて、キリシタンの心情を見事に表現しています。今度ぜひキリシタン大名の高山右近を題材にした長編を執筆して欲しいと念願しています。

2016/10/17

baba

いつもの小藩のお家騒動とは趣が違い、多彩な人物との交流が静かに淡々と語られ、遠州の人柄が伝わるようです。実際の歴史上人物で遠慮があるのか、知られている仕事ぶりよりむしろ、激動の時代を一緒に生きた、妻と家庭人としての遠州を読みたいと感じた。一文一文に想いが込められ、読むのに時間を要した作品でした。

2016/11/14

keiトモニ

“此道、第一わろき事ハ、心のかまんかしやう也”とは思いますが、実行できたためしがない私…何時の間にか春秋に富むは遥か彼方に…。ただし遠州の茶は“織部が指摘したように、己の立身出世と安寧を望むだけの茶だ…”☜それでいいんですよ。織部が正しいと思いませんよ。ただの我が儘です。気にしない事、遠州殿!さて“後妻の連れ子で…その後養子となり…またその娘を妻とした…などと各人関係を各所で説明されるが、歴史教科書の副読本調は止めてほしいもの。金地院崇伝さんよ、好人物の私も大欲山気根院僭上寺悪国師と陰で言われております。

2017/01/09

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