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私の家では何も起こらない (角川文庫)

私の家では何も起こらない (角川文庫)

私の家では何も起こらない (角川文庫)

作家
恩田陸
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-11-25
ISBN
9784041046401
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私の家では何も起こらない (角川文庫) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

何とも不思議な、少し寒気が歩み寄ってくる作品。丘の上に建つ古くて小さなお家、周囲からは幽霊屋敷と呼ばれてる。短編で、全編一人称で語り手が『今現在』を語る。多くの人がこの家で生活を重ねてきた中、凄惨な出来事もあった。タイトルからは逆に『何が起こるんだ?』という興味が湧き、『幽霊』『一人称』で短編を繋ぐと最後にオオッとなった!我々が今住む土地では何千年も人が生きて死んでいった訳で、全ての土地に霊は時間感覚なく存在するのだろう。意外と話すと面白いのかな、幽霊さん。幽霊は何もしない。怖いのは生きてる人間よ‼️🙇

2019/06/16

yoshida

古い屋敷が舞台。様々な年代を通しその屋敷に関わった人々の怪異が描かれる。現代に至る迄、限りなく多くの人々が産まれ亡くなっている。様々な場所に人々の思念や記憶がある。時と場所により強い思念や記憶があり、共鳴する想いがあろう。そこで見えたモノが幽霊と言えるのかも知れない。ある意味、私達が見えないだけで、そこかしこに所謂幽霊はいるのだろう。私達も人類の長い営みの一部であり、後世の人々に幽霊として認知されることがあろう。それは人類が滅亡するまで続くと言える。彼岸と此岸。境界は曖昧かも知れない。考えさせられた作品。

2021/01/09

シナモン

丘の上に佇む古い洋館をめぐる物語。 壜詰めの子ども、じゃがいもの皮をむく姉妹、アップルパイの匂い、自殺した少年…さまざまなエピソードが絡み合い、混じり合い…じっとりと怖くて美しい。独特の世界観を楽しめました。

2024/06/18

まこみん

常野物語の世界も好きだったけど、洋風世界のこちらも好み。丘の上の古洋館。関わった人達や何代にも渡って語り継がれる物語。幽霊屋敷。二人の大女、首を吊った男、その奥方と赤子、美少年、数知れない子ども達…彼らの其々が思い出になる。これからも。残虐な場面も恩田さんの叙情的な語りに寄って禍々しい感じにならない。日当たりのいい台所の情景…地下の貯蔵庫、パイの焼ける香り、剥かれたじゃがいもの皮…。拘りの表紙とカバーデザインの名久井さんとの対談も楽しめた。

2017/03/18

デーカ

読んでいる時は薄気味悪い、いや~な感じがつきまとっていた。だけど読み終わると、なんだか温もりのある物語でまとまっていて、あの屋敷に住む、彼ら彼女たちの怖さがなくなっていました。たくさんの思い出や記憶が積み重なっている場所、あとは誰が接続するか。大工の話で癒されました。

2017/04/28

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