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屋根をかける人

屋根をかける人

屋根をかける人

作家
門井慶喜
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-12-21
ISBN
9784041047507
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屋根をかける人 / 感想・レビュー

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Aya Murakami

図書館本。 主人公の描写がいやに詳しくてリアルだと思ったら実在の人物だったのですね。 主人公の心理変化もよかったのですが、ラスト付近の玉音放送と主人公との対話をする昭和天皇の描写が非常によかったです。玉音放送の時に昭和天皇は感極まったようですが…、ネット上に上がっている現実の玉音放送もチェックしてみます。当たり前のことですけど西洋人はもちろんのこと、昭和天皇も命のある生きた人物なのですね。

2018/09/26

ゆみねこ

キリスト教の伝道者として、近江八幡に赴任し、卓越した商才で建築事務所・メンソレータムの近江兄弟社を創業した、W.M.ヴォーリズの生涯を描いたもの。青い目の近江商人と呼ばれ、日本人として生きることを選んだ波乱の人生。戦後の天皇人間宣言のくだりは特に興味深いものでした。面白さという点では、玉岡かおるさんの「負けんとき」に軍配!両方読むと、更に良いと思いました。

2017/01/15

まこみん

「銀河鉄道の父」で知った門井さん。ウィリアム・メレル・ヴォーリスは全然知らなかったが、読むにつれ、広岡浅子と彼女の家族との関わりや、馴染みある近江兄弟社の創立者で、大正から昭和に掛けての多くの洋風建築を手掛けた人物と知り、彼の生き様に興味が出る。特にヒーロー的な人物としては描かれていないけれど、等身大の淡々とした記述がかえって心地よい。日米関係の悪化で、自らと多くの社員の為にアメリカ国籍を捨て日本人になるという選択。だが両国から受け入れられない葛藤。戦後直後の天皇との会話の中で題名が沁々伝わってきた。

2019/05/16

のぶ

明治時代後期にアメリカから来日した一人のクリスチャンで建築家、メレルの伝記的な話かと思って読み始めたのだが、内容はそれにとどまらず、とてもマルチな人物で立体的な視点から物語の造形のなされた小説だった。来日後近江八幡に住み、厚いキリスト教への信仰のもと、建築の仕事をしながら、メンソレータムの販売から、近江兄弟社の創設等、とても活動的で、終盤の昭和天皇との謁見の場面も過去の功績があればこそ印象的に感じたのだろう。最近読んだ人物の半生を描いた作品の中でも優れた一冊だった。

2017/02/15

Mumiu

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築物を見に近江八幡に行ったことがある。彼について書かれた本も読み、だいたいこう人だったなあと思い返す。妻満喜子、吉田悦蔵とご母堂、満喜子の兄恵三、そして広岡浅子、小説になったことでメレルのキャラクターがあちらこちらで豊かに感じられた。満喜子がアメリカに行く時、ホテルニューグランドの喫茶室でのシーンが微笑ましくすきだ。表紙絵はできたら近江八幡の建物が嬉しかったかなあ。

2017/04/23

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