不在
不在 / 感想・レビュー
starbro
直木賞候補の「くちなし」に続いて彩瀬 まる、2作めです。ホラーやイヤミスに変換して行くのではと思いながら読み進めましたが、正統派の恋愛・家族小説の佳作でした。少し作風が、村山 由佳に似て来たような気がします。
2018/10/02
風眠
家族の形、恋人の形。それはどんな形をしているの?どんな形なら満足できるの?愛の形は人それぞれで、どんな形でもニーズが満たされていれば問題はない。それがたとえ支配と忠誠という愛であっても、それが望む形だったら、それでいい。けれど大抵の人はそうじゃない。そんな歪んだ愛は望まない。期待通りの形に収まってくれないあなたが悪い、私が望む愛はそうじゃない、そうやって父を、恋人を、責める明日香。理不尽で我が儘な明日香の言動の裏にある、上手に愛せない苦しみ。人の心は複雑で、時に愛を間違えてしまう。愛の不在を埋められずに。
2018/08/02
utinopoti27
本作は、家族の愛情を受けられずに育った明日香が、父の遺品を整理しながら、愛なき世界を強く生きていこうとする物語だ。24年前、母に暴力を振るったあげく、家族を捨てた父。遺品整理をするうちに、次第に蘇る家族の記憶は、やがて黒い小さな塊となって明日香の現在を蝕んでゆく・・。自分の考える家族や愛のあり方に固執し、異を唱える恋人に暴力を振るう彼女は、結局父と同じ道を歩もうとしていたのでした。終盤での明日香の気付きと再生に向けた道筋は、既成概念へのアンチテーゼとも読み取れる。捉えどころに苦労する難解な作品でした。
2019/02/10
いつでも母さん
なんとも感想が書き難いったらありゃしない。彩瀬まるだから一筋縄ではいかないとは思っていたが・・父の遺品を整理する漫画家の娘・明日香。囚われるってこういう事なのだろうかー味方になって欲しいから愛するのか?只、親子だから味方するのか?私の中の親子の概念が崩れそうだ。連綿と続く親子関係ってある意味怖い。今作は喉の奥に異物が残っている感じで仕方なかった。あの男の子は明日香の心の中に住んでいた『愛の鍵』そのものだったのかーここの誰にも寄り添えない私は・・
2018/07/20
うっちー
よく分かりませんでした
2018/07/17
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