ひかりのいと 朗読のための自選詩集
ひかりのいと 朗読のための自選詩集 / 感想・レビュー
やすらぎ
澄みきったものだけが美しさではないのだと今ならわかるのに…ありがとう、たったひとつが言葉にならなくて。日が暮れたら夜になって、決して戻ることのない今日が終わる。さようなら。心の中の小鳥が羽ばたいていく。一瞬の眩しさを最後に切れてしまった、ひかりのいと。七夕の夜の流星なら、聖夜の灯火なら、端と端を紡ぐことができるかもしれないのに、離れていく。淀みに落ちた青葉は永遠に流れに身を任せることなく、深く川底に沈んでしまった傷を誰かに癒やされることなく、静かに溶けていく。切ない想像力に包まれる、銀色夏生さんの世界へ。
2023/07/14
いこ
銀色さん大好き。少女の頃からずっと。この本は、銀色さんの数ある詩の中から朗読に適した作品を選んだ詩集。好きなものを2つ。抜粋で。『流星の人』 私たちが今までのように時々出会うのではなくて 願った時にはいつでもすぐに会えたらいいのに 私が悲しい時 心細い時 あなたの存在をもっと強くはっきりと感じられたらと思う 『微笑みながら消えていく』より だれもいないから淋しいのではない だれかがいれば淋しくなくなるのではない だれでもいいからだれか ではけしてない 他のだれでもないあなただからだ 素敵すぎでしょ?
2022/01/31
masa@レビューお休み中
なんとなく本屋の詩のコーナーに行ったら、この本があった。自選詩集とあるようにすでに発表された作品を集めた詩集である。元々、写真と詩を組み合わせていたものが多いせいか、この写真がない言葉だけの本は印象が変わる。視覚的刺激がなくなるためか、詩が与える威力というものを存分に発揮しているような気がする。本とは別に銀色さんが朗読した詩を聴くことができるのもいい。なんだか沁みてくるんです。
2018/03/18
キラ@道北民
朗読は読む瞑想。唇に言葉をのせて聞くことで、より深く、より静かに癒されます。銀色さんは、詩の中の主人公の気持ちになって書くと言う。いろんな人のいろんな出来事や想いに寄り添って、無限に言葉があふれてくる。誰もが快感を味わえる一冊だと思う。
2017/10/30
ねなにょ
ずーっと前、恋に悩んでいた頃、手にとっていた銀色夏生の詩集。今回は、写真なしなので、又、雰囲気が違って感じられる詩も。また、恋したいなぁ(*´Д`) 。
2018/08/07
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