FAKEな平成史
FAKEな平成史 / 感想・レビュー
Tui
タブーや差別に真っ正面から対峙してきた(がゆえにメジャーな媒体には敬遠されがちである)著者が書く平成日本の姿は、あまり耳心地よいものではない。みなが触れぬようにして、でも内心は思い込みや偏見に囚われがちな、薄暗く重いテーマばかりだ。政府やメディアへ、静かに怒り、焦り、悲しんでいる。でも、対談相手の長野智子も述べているが、湿り気の多い文体からは著者が怒りとともに、強い期待をも日本という国に対して抱いているのを感じる。目の前にある現実を直視するひとつの指標として、信頼が置ける一冊だと感じる。
2017/11/22
ばんだねいっぺい
メディアへの嘆きはあっても、それがあなたの姿です、写し鏡ですと言われても、じゃあ、自分がちゃんと暮らせば、テレビとかは変わる?バタフライエフェクト?うーむ、まぁ、問題意識はあってもなすすべもないよなぁと改めて思わされた。
2019/06/01
阿部義彦
新刊早速読了。ドキュメンタリーと文筆、二足の草鞋を履いて、同調圧力に抗う森達也の面目躍如。面白かった!第2幕の障害者差別と「バリバラ」も良かったが、ロック命の私としては、1幕の放送禁止にまつわる話題、特に9/11の追悼番組で突然放送禁止歌のイマジンを歌ったニール・ヤングは本当に格好いいです!またアメリカの歌手P!NKがイラク侵攻後に書いた「ディアミスタープレジデント」の歌詞を乗せてレビュー終了。 必死って言葉知ってますか?お腹に子供がいるのに最低賃金で働くことよ。あんた本当にエラいわ。
2017/10/07
akihiko810/アカウント移行中
森が、自身で撮影したドキュメンタリーを下敷きに、平成の30年をゲストと共に振り返る。印象度B+ 放送禁止歌、小人プロレス、天皇、オウム、北朝鮮、フェイクニュース(「FAKE」)。森が現代日本のタブーに踏み込む。小人プロレスと、天皇をネタにしたコント軍団「ニュースペーパー」の項目が面白かった。森の根底にあるのはマスコミ不信で、それが日本社会の低レベルさを示すものだと思っているのだろう。マスコミは社会の鑑なので、その点は同意する。
2021/10/01
山田太郎
うちの会社の口癖はマスコミ信用するなですが、Twitterから情報得てるみたいで、それはそれでどうかと思うけど。マスコミ信用するなはいいけど、何でも信用するのもアホだけど、何でも疑って全部違うとか言い出すとそれはそれで面倒だよなと思ったり思わなかったり。自分が都合がいいところだけ信じてれば生きやすいのではないかと思った。蜂の巣にチンコ突っ込むようなというか触らなければいいのにそれだけではないようなというか例えが下品だなと。
2022/05/03
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