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無貌の神

無貌の神

無貌の神

作家
恒川光太郎
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-01-28
ISBN
9784041052693
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無貌の神 / 感想・レビュー

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サム・ミイラ

読み友の皆さんに教えてもらった恒川光太郎。郷愁を掻き立てながら人の世の無常と不思議を綴るこの方にしか書けぬ世界。読み終わり必ずしばしの余韻に浸れる稀代のストーリーテラーである。この無貌の神も作者の良さが存分に出た短編集。実にこの人らしい表題作をはじめ、超自然な現象ももしかするとこういう事かと思わせてくれる「死神と旅する女」や「廃虚団地の風人」そして少し毛色の違う最終話。お伽噺のような、しかしたまらなく愛しく切ない物語に不覚にも泣いてしまった。このカイムルとラートリーを私はきっと忘れない。

2018/09/20

おしゃべりメガネ

久しぶりの恒川さん作品です。やっぱり恒川さんは長編だろうと短編だろうと何を書かせても、やっぱり恒川さんだなぁと思わせてくれました。ホラーでもあり、ファンタジーでもある不思議な作品群でしたが、個人的には「カイムルとラートリー」がピカイチでした。他の作品は好みな作風と、ちょっと入り込めなかった作風とに別れてしまい、中途半端な感じも否めません。しかし、「カイムル〜」はなんともステキなファンタジーで、これぞまさしく恒川ワールドの真骨頂な仕上がりでした。あの名作『夜市』のステキな雰囲気を本作でも十分に味わえます。

2017/04/14

美紀ちゃん

恒川光太郎さんの6つの短編集。 どれも怖面白い。 77人日本刀で斬る12歳の少女の話がとても印象的。「死神と旅する女」 「廃墟団地の風人」も好き。 私も重いから空の国に帰れない。 重さは、体重計に乗った時の針の位置ではなく、存在としての重さ。地上に対する未練、執着、想い。 カイムルとラートリーも壮大なファンタジーのような感じで良かった。

2021/09/11

chika

名作、夜市と甲乙つけがたい、暗黒ファンタジー6話です。中でも、[死神と旅する女]は宮沢賢治の銀河鉄道の夜と、江戸川乱歩の押し絵と旅する男を掛け合わせような異次元ワールド!。[カイムルとラートリー]は、ネバーエンディングストーリー張りで心温まる切ないお話です。不思議な恒川幻想世界の余韻は心地よいですね。σ(^_^;)

2017/04/18

Ame

はーお腹いっぱい。恒川さんの編み出す幻想的な世界観が大好物な一読者としては嬉しい新刊でした。帯に暗黒童話とありましたが、実際童話と呼ぶのに相応しい軽いタッチの読みざわりで、各話作品の雰囲気を楽しむものでした。個人的には恒川節の濃ゆ〜い倒錯的な幻想譚を読みたかったのですが、これはこれで。「死神と旅する女」や「廃墟団地の風人」がコンパクトで読み易かった。「カイムルとラートリー」はお得意の空想上の生き物(獣)もので、ラストにかけての話の運び方はお見事!の一言に尽きます。装丁がめちゃくちゃ綺麗なのも◎です。

2017/02/03

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