陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション (4) (角川ホラー文庫)
陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション (4) (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
ehirano1
表題作について。タイトルからしてヤバイ感しかしないwww。なんと、変態、いやいや性的倒錯者を軸に[「偶然」、「バイアス」、「邪推」、「妄想(≒考察)」が一定のサイクルを回す凄さに最後の最後まで一時も目が離せませんでした。
2023/02/03
藤月はな(灯れ松明の火)
突然、この物語での"「サア、ぶって!ぶって!」と叫びながら上半身を波のようにうねらせるのであった"という一文が脳内をよぎった事がきっかけで再読。江戸川乱歩の作品に出てくる男って大抵、自己意識が異常に高い癖の偽善者で真実に対すると途端に避けようとする人でなしが多いですよね…。大人になった今では何故、そんな事をしてしまったのかが理解できて不思議といじらしさすら感じてしまいます。それなのに自分が可愛いだけの莫迦男は…(−_−#)そして大江春泥の性格や癖、大山田氏の風貌の描写がまんま、乱歩先生なので思わず、ニヤリ
2016/08/02
むらKみ
今回の2作も期待通りの作品。陰獣のラストはさすが乱歩。蟲も殺人犯の心の陰と獣、自己中でその場その場的な行動が、哀れにさえ感じました。両作品ともあまりイヤミス感はなかった・・・ただただ切ない。著者が江戸川乱歩だったからかな?
2015/02/18
優希
面白かったです。ドロドロしていますし、エログロという言葉が似合います。陰獣というより淫獣という方がしっくりくるかもしれません。主人公の狂い方や愛し方は怪奇趣味が好きな人には何とも言えないものがあるように思いました。怪奇小説の古典でありながら色褪せない魅力があります。背徳的で濃厚な作品でした。
2015/11/22
あも
陰獣/蟲。中編2本。セルフパロディーも盛り込まれた陰獣の素晴らしさよ。乱歩自身をモチーフとした作家・大江春泥に脅迫された美貌の婦人から相談を受けた寒川。論理の限界と懊悩、フェティッシュな描写の数々に粘着質な泥土に素足を突っ込んだ様な不快さが転じた快感を覚えた。当時は非難されたらしい敢えて多重解釈としたオチもこれしかないと思える。蟲もまた別の陰獣の話。この2編で1冊を構成した角川は正しい。乱歩の窃視趣味、変身願望が名推理小説として昇華した傑作。余談だがサディストを惨虐色情者と表現すると凄く情緒があって素敵。
2017/12/20
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