大ぼら吹きの城
大ぼら吹きの城 / 感想・レビュー
mint-s
木下藤吉郎が小者頭から信長に城を与えられまでの物語。百姓だった藤吉郎が身ひとつで上り詰める話は何度も読み聞きして知っているのにやっぱり面白い。おねの愛情、仲間たちの信頼が支えとなり藤吉郎の執念が天に届いた。「天下人になる」という大ぼらを誰も笑わなくなる。
2018/08/26
如水
藤吉郎、後の豊臣秀吉の前半記…と言ってもほぼ初頭。始まりは於禰(おねと読みます。ねねの方が馴染み深いかも)に熱烈にアタックする所から。「儂は天下人になる男じゃっ」が口癖だが、槍働きは全く駄目=大ボラ吹きと回りから言われるが己の信じる才覚でのし上がろうと切磋琢磨。『生まれた時から侍であった者等が下に見ておる儂等全てを舐めるな!』この心意気で敵陣ど真ん中に城を作ると言う策を仲間達と共にやろうとするが、敵は八千。さぁどう建てる?これぞ本当の『墨俣築城記』の始まり〜?中々中身の濃い立志伝でした?
2018/08/17
イトノコ
図書館本。信長に仕える藤吉郎は、天下人になるという夢ー大法螺を吐きながらも一向に出世できぬ日々。しかし信長に、旧知の蜂須賀小六の調略を命じられ、彼の命運は一変する。/墨俣城築城をクライマックスに持ってくるという珍しい作品。秀吉というとどうしても晩年の「陰」の側面に引き摺られがち。だが、藤吉郎と名乗っていた頃の、ひたすら前進する「陽」の彼を存分に堪能することができ、楽しい読書ではあった。でもそれまでと言えばそれまで、かな。ところで前野家文書・武功夜話は偽書って読んだけど…まあ小説だから必ずしも、ね…。
2021/12/15
maito/まいと
秀吉題材の小説久しぶりに読んだ気がするなあ。最近は偉人ランキングでも10位以下にいることの多い秀吉だが、本書きっかけに秀吉人気再燃するんじゃないか、と思わせる完成度の高さ!秀吉を改めて分析し、再構築した著者の研究ぶりが文章から伝わってくる。史実上は否定されている?墨俣一夜城を舞台に、“武士たるもの”という固定観念と自分の居るべき場所との間で葛藤していく様は、個性を持ちながらも組織の中で埋もれていくビジネスマンと重なるところが多い。では秀吉はどうやって自分の居場所を勝ち取ったのか?本書から学ぶところは多い。
2018/09/25
makka
「儂は天下人になる男じゃ!」タイトルは『墨俣の一夜城』のことで、太閤さんが出世街道の足がかりを掴むまでの前半生。於禰とのやり取りも初々しく、木下藤吉郎時代は輝いていたな〜と、つくづく感じる。
2018/12/18
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