テーラー伊三郎
テーラー伊三郎 / 感想・レビュー
nobby
That's エンターテインメント!エロ漫画作家の母と暮らす高校生、その名前は海色と書いて“アクアマリン”。彼がある朝、田舎の片隅で潰れかけた仕立て屋のショーウィンドウで目にした完璧な女性下着コルセットが世界に繋がる爽快な物語。元々、服装やインテリアにほぼ興味のない自分は、そのトンデモ設定や展開見えない序盤は惰性で読んでいた。それが、中盤から周囲に賛同者や味方が増えていく様や邪魔者の存在が明確になるに連れ、いつのまにかワクワクしながら一気読み楽しんだ!若くてすかした化学教師な担任が何気にGood job♪
2018/02/23
風眠
「人生の一冊」「私のバイブル」等、大切な一冊を表現する場合、文学寄りか哲学寄りか、まぁ、どっしりとした感じの本を指すことが多いけれど、現時点で私の「大切な一冊」はこの『テーラー伊三郎』だ。誤解を恐れずに言うと、ライトな部類の小説であることは間違いない。全体的にふざけているし、でき過ぎ感満載。笑いながらサーッと読めるのに、なぜかなかなか読み進められない。それは、一文一文を何度も読み返すからだ。ふざけてるの中にある人間の真理、そして名言の数々。登場人物が皆魅力的で、悪役も含め、絶対にキャラがブレないのがいい。
2018/05/12
mint☆
母はエロ漫画家、17歳主人公の名前はアクアマリン。田舎町じゃ目立つ存在で既に人生を諦めかけていた。そんな田舎の寂れた商店街にある『テーラー伊三郎』のショーウィンドウに突如現れたコールバレネに心奪われ、彼の人生が変わっていく。次第に周囲の人たちを巻き込み一大プロジェクトへと変貌していく。川瀬さんは登場人物の活かし方が本当に上手い。老人たちが生き生きと描かれているし一人一人クセが強い!最後はどう収拾するのかと思ったけどなんとかまとまり一安心。アクアマリン同様読み手もワクワクする一冊。
2021/04/11
ナイスネイチャ
図書館本。シングルマザーの母親が官能漫画家。主人公の男子高校生が商店街の仕立て屋に飾られていた女性用コルセットに魅せられ、店主のお爺さん伊三郎と革命的なコルセット作りに挑む話。頑固じいさんに集まる人々のキャラクターが面白く、読後も清々しい。映像化しそうな作品でした。
2018/03/04
しんたろー
劣等感に苛まれている田舎の高校生・津田アクアマリンは、商店街で出逢ったテーラー店主・伊三郎と芸術的コルセットで店の再興を目指す。凄腕の職人爺さん、魅力的な婆さん、エロ漫画家の母、変人の幼馴染ら個性豊かな連中に囲まれたアクアの成長物語は様々な蘊蓄や伊三郎の鋭い台詞で面白く読めたが......読友さん達に好評で『スリーサム!』シリーズも好きなのでハードルを上げ過ぎたか、正直言って物足りない…アクアが窮地に立たされる過程が嘘っぽく、敵役を撃退する爽快感もなく、恋愛も盛り上げ不足…終盤が良いだけに惜しく感じた。
2021/05/20
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