青い花は未来で眠る (角川文庫)
青い花は未来で眠る (角川文庫) / 感想・レビュー
えみ
その凄まじく美しい狂気、未来を背負う暴力、青い救済の劇薬。どの断片を切り取っても“義憤”の過ちを思い知る。誰もが目を奪われた美少年4人組は凶悪テロリストだった!?ハイジャックされた飛行機で生き残った乗客5人はそんな美少年達と対峙するが…。強烈で凄惨なトラウマが待ち受ける展開は、一方で未来を見据えた緩やかな自死を匂わせてドキッとさせられる。悲惨で残忍、謎めいたテロリストの正体、そして最大の秘密とは?壮大なSFサスペンス。生きていることに意味はあるのと自問する少女は生殺与奪を握られた今、答えをここに咲かせる!
2022/11/11
のんき
高校2年生の優香。わたしが生きている意味なんてないって思っている無気力な優香。そんな優香の乗った飛行機がハイジャックされます。以前通り魔で優香を助けて、亡くなった姉から。そして、ハイジャック犯に優香たちの身がわりに殺された白山から「生きろ」というメッセージを、優香は受け取ります。お姉さんと比べたら、かっこ悪くても、頭がよくなくても。ホームレスの人も大臣も先生も社長も、子どもも病気の人も、身体の不自由な人も、誰の命にも同じ価値があります。優香だけでなく、私たちにも「生きろ」と言ってるような作品でした。
2017/09/12
キャプテン
★★☆☆☆_「世界一ついてない男フェア」第三弾。俺はキャプレーン。[外出禁止にすべき男ランキング]、コナン君、金田一少年に続く第3位の俺。性懲りも無く、渡米を目論み、案の定ハイジャックに巻き込まれる。美しきテロリストたちによる毒ガス散布、阿鼻叫喚の機内、生き残りたちの反撃。もちろん俺は隠れていただけだが、テロ側も、生き残り側も行動が謎すぎる。英語を喋れないから通報できないというのは笑えた。これが小説なら買って失敗したなと思うだろう。機体は極北の地へ。下がる体温。血流が悪くなり、俺の肛門が悲鳴をあげた──。
2018/07/20
dr2006
サスペンス風味のSFファンタジー。普遍的な美しさと危機がもたらす心情の変化が対比的に描かれる本作は、人が生きる意味を問う哲学的な作品だと思う。主人公の優香が修学旅行で乗った米国行きの飛行機がハイジャックされる。テロリストが操縦した飛行機は僻地の湖に不時着するが、何故か殆どの乗客は降下中にもがき苦しみ自傷自死していった。無事だったのは優香含め5人だけだ。クローンの様な双子、リーダーと双子のSPらしき4人組の彼らは皆端麗で到底テロリストには見えない。謎の青い花を携えた美しきテロリストたちの目的とはいったい?
2021/03/12
タルシル📖ヨムノスキー
ある日、成田から飛び立ったジャンボジェット機がハイジャックされ、どこかの湖面に着水する。生存者はハイジャックした4人の犯人と、修学旅行のために乗り込んでいた高校生の梅木優香と同級生の小田、引きこもりの青年・陣内、葬儀会社社員の白山、そして研究者のイグチ。彼ら5人と犯人たちの生き残りをかけた戦いが始まる!…なんてハードな話にはなりません。なぜなら力の差が歴然で正直勝負にならないから。かと言って知恵と工夫で対抗という感じでもなく…。犯人たちの目的が明かされる後半は、SF的な話にシフトしていくという意外な展開。
2024/01/13
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