クウデタア<完全版>
クウデタア<完全版> / 感想・レビュー
ぐうぐう
2015年に刊行された旧版のあとがきで大塚英志は、許されるならもう一冊分続けたいと綴っていた『クウデタア』。版元を変え、3倍近いボリュームの完全版となって、ついに刊行された。小松川事件、皇太子御成婚パレード投石事件、そして社会党委員長刺殺事件と、十代が起こした事件を描く『クウデタア』だが、旧版では社会党委員長刺殺事件の手前までで物語が途切れていた。この完全版では、そこがきっちりと描かれている。本作は1950年代末の3つの事件を軸に、当時の文学と社会の関係性が大きな主題となっている。(つづく)
2017/10/29
なつのおすすめあにめ
本屋で偶然みかけて衝動的に購入、 大塚英志だもの。これは50年代の「文学」と「犯罪」を、「虚構」として再構築した「まんが」。そういえば社会党委員長刺殺事件の動画、三島由紀夫の首の画像、それぞれをインターネットでみたなと思い出したりした、平成生まれの感想ですが。
2017/12/03
あさがお
本当にかきたいことは「まんが」になってしまう。と大塚英志氏は言うけれど、評論の形をとってるものよりもまんがという形をとっている時の方が要求される前提知識多く無いですか? 石原慎太郎に関しては元都知事の変なおじさんというイメージしかないので流石にちゃんと読もうかなと思いました。(同じようなこと大江健三郎でも思ったけどまだちゃんと読めてないですね……) 樺美智子と皇后が同年代で名前が同じだということは今作を読んで初めて気づきましたが面白いですね。
2017/10/31
耳クソ
戦後がますますわからなくなる大傑作。
2019/04/04
ミスター
三島由紀夫を物語の中心として置き、大江健三郎をキャラクター化するのは逃げではないのか。全編に亘り陰鬱な感覚を感じさせる書き方は非常に前期大江に近いものである。大塚英志の立場としては大江健三郎をキャラクターとしてしまって置き、解体すると種明かしになってしまうからなのかもしれないが、三島由紀夫だけ批評して「行為」の視点から解体するのは出来レースだろう。もっと冒険して欲しかった。
2018/09/02
感想・レビューをもっと見る