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たそがれの市 あの世お伽話

たそがれの市 あの世お伽話

たそがれの市 あの世お伽話

作家
近藤ようこ
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-10-28
ISBN
9784041060483
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たそがれの市 あの世お伽話 / 感想・レビュー

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井月 奎(いづき けい)

生と死のあいだに漂っている人たちの物語です。年を経て、知恵がつき俗に染まった人たちが死に切るためにはこの市に住まい、人の行い振る舞いをよく見て感じて、自分を使い切らなくてはならないのです。存在が仏に近い子供はそうではありません。仏の大きな手にすくわれて仏の世に迎えられるのです。私にはこの漫画の描いていることが絵空ごとには思えません。この世への執着を捨てるのではなく、自らの心と向き合い生きることが生まれてきた甲斐だと思うのです。胸に清く冷たい水が流れ込むような物語、しみじみと心の滋養になるように思います。

2019/07/10

かっぱ

半時間ほどで読了。河原に立つ市。商人たちは、みな古い着物を着ている。九つか十の時にこの市へとやってきた少女がひとり。ここは死者たちの市。ここへ来るのは同時代人ばかりではない。時には時空を超えて遥か未来からもやって来るものがある。作品世界の根底にあるのは仏教思想なのだろうか。いくつかの日本の昔話を聞き終えたような読後感。

2018/09/10

天の川

人々が集まり、何かを交換する場であり、どこにも属さない場である「市」に興味があったと言われる近藤さん。死ぬと最初に辿り着く「たそがれの市」は、鎌倉時代の「一遍上人絵伝」に出てくる備前福岡の市のような光景だ。生者と死者の心が交錯する11の物語は、やはりどこか物悲しい。親が来るのを待っているおきくちゃんは、元気で明るく、そして健気だ。一番好きなのは「涙池」。幼子たちが笑い声をたてながら昇天する様子は切なく、けれど美しい。

2017/11/25

多喜夢

死を題材にしながら、ほんのりとほっこりとする美しい物語。単純な絵や話の展開ながらも、行間につまる思いが身に迫ってくる。

2018/03/28

kate

死者であるとつい忘れてしまいそうに主人公のおきくちゃんが元気で前向きで、不思議と心が明るくなります。 私も死んだらこんな場所に行くのかなあ、夫とまた会えるのかなあ。 どの話もなんども読み返しています。

2018/03/13

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