警視庁53教場 (角川文庫)
警視庁53教場 (角川文庫) / 感想・レビュー
utinopoti27
本作は、警察大学校を舞台に、そこに関わる警察官たちの様々な心の闇や葛藤にスポットをあてるシリーズの初回作だ。主人公は、警視庁捜査1課の刑事・五味京介。義理の娘と二人暮らしの彼は、かつての教場同期生だった教官の自死に不審な点を見つけ、所轄の女性刑事と共に捜査を命じられる。現在と過去を行き来しながら進むストーリーは、登場人物たちの苦悩を徐々に浮き彫りにしてゆく。事件の真相はもちろん気になるが、五味自身に加え、彼を取り巻く人間模様が、シリーズの展開と共にどう変わっていくのか、今後に向けた興味は尽きない。
2021/08/22
モルク
警察学校の守村教官が首吊り自殺をする。その死に疑問を持つ彼の警察学校時代同期で同じ教場の今は警視庁捜査一課の刑事五味。現在の警察学校と16年前中野にあった警察学校を交互に物語は進む。16年前にいったい何があったのか。全てはここから始まっていた。そして真実、正義であってもそれが握りつぶされてしまう組織の怖さがある。シリーズ物の一作目だが今後のプロローグでもある。五味と同期で今後も絡みのある高杉は、個性が強くなかなか魅力的だし、これからのふたりの展開も楽しみである。テンポがあがっての終了。次も行かざるをえない
2020/07/12
ゆみきーにゃ
シリーズ一作目。面白すぎて一気読み。とにかく先が気になって気になって。五味さんの心の葛藤は読むのが辛かった。
2020/02/15
Yunemo
長い長いプロローグ、あまりにいろんなことを詰め込み過ぎて。基本ベースは、一定期間共に学び、行動した仲間を、そして仲間や自身が所属する組織を信用できないのかな、との想いで。一歩踏み出す際の初心と組織の中でがんじがらめになっていく過程での気持・心の変化、やっぱりありますね。何が正義?という命題は、永遠に解き明かされずに、組織の定年を迎えてしまう。本作品、人間の裏襞を垣間見せ、また壊れる人間の原因と回復過程を徐々に見せてくれてます。これらを併せ持った教官五味が、新人をどう育て、風間教官との違いは、とを楽しみに。
2018/01/03
さっこ
吉川さんの警視庁53教場シリーズということで第1弾を読んでみました。面白かった~。警察学校の教官が自殺した。同期で同じ教場だった捜査一課の五味刑事が真相に乗り出す。現在と16年前の警察学校時代が行きつ戻りつお話が進みます。結末自体はスッキリした感じはなかったかな。警察学校の同期の絆は強く固いのに、そこに異端が入り込んだがための災難が気の毒。続けて読みたいシリーズです。
2021/01/31
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