農協月へ行く (角川文庫)
農協月へ行く (角川文庫) / 感想・レビュー
kinkin
初版は昭和54年。この頃筒井康隆にハマって読んでいたのを思い出した。冒頭の「農協月へ行く」昭和の45年すぎ日本の農協はパリやローマ、各地を団体で旅行するのが流行っていたな、円もまだ300円を超える時代だっので今考えるといかにお金があったかということ。その農協の団体さんが月旅行へ行く話。「日本以外全部沈没」はタイトル通り。好きなのは「村井長庵」とある江戸から小さな島へやってきた話。もし映画化しようとしても絶対無理のなんでもありの話。どれも皮肉やユーモア、そして怖さに溢れている。
2024/09/03
催涙雨
「人類はみな平等。愛。性善説(中略)こういうものはみんな嘘であり〜」この理屈自体は理解できるしブラックユーモアも嫌いではないのだが、なんだろう、単に胸糞の悪くなる話を下ネタと混ぜたようなものはあえて読みたいと思うほど好きではないみたいだ。表題作や「信仰性遅感症」は有り体に言って嫌いだった。綺麗事をぶっ壊そうとする姿勢そのものにはいくらか共感を呼ぶものもあるのだが、あまりに対極的すぎると綺麗事と同じくらいわざとらしい代物になるよなあ、と思ってしまう。「経理課長の放送」と「自殺悲願」はわりと好きな作品。
2019/06/06
おいしゃん
パロディ短編集。どれもドタバタ劇ながら、場面が全く違うので、色んな味わいを楽しめる。久しぶりの筒井作品だったが、他のも読みたい。
2018/05/21
NADIA
うーん、久々の昭和のパワーに圧倒された(^^;; この頃の世界から見た日本のイメージは今とは全然違うんだなあ。 野暮ったくて図々しくてたくましい。醒めた現代人にあの農協パワーを!! でも昭和特有の独特のドタバタ感についていけず、久々の途中挫折(^^;
2018/10/12
阿部義彦
長らく絶版だった、筒井さんの名短編集がカドフェス絡みでここに改版、初版として復活です!齢80を超えても今だに現役(長編小説はもう無理で「モナドの領域」で打ち止めなんて仰ってますが、ファンとしてはもうひとつなんて期待してしまう。)の筒井さんの脂の乗りきってた時代の作品たち、高校生以来かな、今回も大笑いです!「経理課長の放送」これが私のおきにいりですね。今は亡き小松左京さん直々に許可を貰って書いた「日本以外全部沈没」も人を食ってるしたまりませんわ!後は新潮社で「宇宙衛生博覧会」の復刻を望む。
2017/07/30
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