ポーツマスの贋作 (角川文庫)
ポーツマスの贋作 (角川文庫) / 感想・レビュー
キャプテン
★★★☆☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1905年明治時代─ポーツマス講和会議編】日露戦争の終着点、ポーツマス条約。「戦争に勝った」と言い張る日本と、「戦争に負けてない」と言い張るロシア。両者の意見は噛み合わず、会議は平行線。その裏で、世界を股にかけた諜報戦が巻き起こる。この時の日本らしく、どれだけ窮乏にあえごうが、国民には余裕で勝っていると発言する。我慢強い気質の日本人だから成り立っていたが、それでもポーツマスの結果に国民は激怒する。しかし、その結果すら誰かの血が滲むものだったのかもしれない。
2018/04/20
YH
もう少しスパイ合戦っぽく、アクションやカタルシスとか期待してたけど、美術ミステリーの方が近いかな。パリ編は結構良かったけど、龍二郎、そのハニートラップはすぐ気付こうよと思った。随所の罠がわかりやすすぎなのがちょっと惜しい。
2018/12/19
汲平
日露戦争後のポーツマス条約締結交渉の裏で繰り広げられる情報戦。なるほど興味は惹かれる。ただ、だまし合いが類型的で、肝心の暗号解読が具体性に乏しくてあまりに恣意的。ちょっと残念。
2018/02/01
Urmnaf
色々と残念な本。日露の小村・ウィッテ両全権は、それぞれの母国の思惑に振り回されながらも和平を目指す。そのポーツマス講和会議の陰に起きていた数々の事件は、講和にも大きな影響を与えていた…といえば、否が応でも期待は高まるが、文章のテンポが悪いのか、今ひとつ、緊迫感を感じない。ポーツマス、パリ、東京で起きる事件もさほど目新しさはなく、全体のまとまり方も通り一遍で驚きはなし。そもそもキーアイテムが絵画である必然性もないし。各話の登場人物が(実在の人物を含め)そこそこ魅力的なだけに、もっと生かし様があったのではと。
2018/01/25
ぽめこ
ポーツマス講和条約締結の裏側にこんな物語があったかもしれないと思うと、フィクションとわかっていても歴史は面白いと思う。そこにあった事実とその結果のみだけど、そこに至るまでに様々な立場の人が国のため己のため何かのために動いてたんだろうなと思うと、しみじみ面白いなって感心してしまう。 本の中の「国民が愚かなのではない。ただ知らされていなかっただけなのだ。」だからこそ新聞社やテレビ局をはじめとするメディアは公正中立な報道が期待されているのだろうし、それは多くの人々に影響を与える場にいるものの義務なのだと。
2018/01/11
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