さぶ (角川文庫)
さぶ (角川文庫) / 感想・レビュー
だまし売りNo
本書は人足寄場の仕組みを具体的に描いている。現代の福祉制度以上に考えられている面があると感じた。現代の福祉制度が見習う面もあるのではないかと感じるほどである。当時の役人は現代の公務員以上に真面目に考え、仕事に取り組んでいたと感じた。一方で癒着や腐敗によって制度が駄目になる脆さも描いている。
2018/09/29
kumax
「金襴の切」事件で人足寄場に送り込まれた栄二。そこで多くの人とのふれあいで成長していく過程が実に面白い。また、この物語が現代人の人間的成長を表現したものとも言え、併せて自分自身がどれだけ人間的に成長しているかを照らし合わせる意味でも非常に読み応えがある作品だった。
2019/04/21
ロシアンブルー1
「おれは思うんだども」 訥々としぼるように語られる言葉は口下手なさぶの心の内の全てを表せてはいない。でもいつの間にか、「さぶ、話を続けて」「栄二、ゆっくりさぶのはなしを聴いて」と山本周五郎の思う壺になっている。ウン十年ぶりに山本周五郎にやられた。
2024/02/18
なっつ
やっと読みました。うんうん。友情のお話
makishi
★★★★・・・初の時代小説。とっつきにくく感じて、先送りにしていたのが、 言葉の一つ一つに囚われることなく、案外スラスラ読めて、 出会えてよかった。「さぶ」のような人が欲しいし、 「さぶ」のような人になりたいと思った。
2019/05/31
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