火の鳥2 未来編 (角川文庫)
火の鳥2 未来編 (角川文庫) / 感想・レビュー
Nyah
生物が滅びて また現れて 進化して 栄えて 滅びた。そして何度目かの人間が いままたおなじ道を歩もうとしている。 「でも 今度こそ」と火の鳥は思う。「今度こそ信じたい」「今度の人類こそ、きっとどこかで間違いに気がついて‥‥」「生命を正しく使ってくれるようになるだろう」と‥‥。/西暦3404年 地下に永遠の都を作り、人類は逃げ込んだ。電子頭脳に政治を丸投げにした結果‥/マサトは火の鳥に孤独な番人として選ばれてしまった
2021/10/11
星野流人
はるか未来の西暦3404年、隆盛を誇った人類が滅びへと向かう物語。それのみならず、火の鳥から永遠の命を与えられたマサトが人類の滅びた、その先の未来まで延々と見届けるのが凄まじかったです。描かれる年月があまりにも膨大で、それをずっとひとりで見守っていたのかと思うと、気が遠くなります。そして待ちに待った新人類の誕生で作品全体がひとつの円環を形作るのもまた、作品構成としてもすごいし、生命の愚かしさも表現していて凄かったです……!
2023/11/20
活字スキー
神話と歴史にまたがる古代日本を舞台とした黎明編から繁栄のピークを過ぎた西暦3404年人類の滅亡を描く未来編という、この振り幅の桁外れっぷりよ。いつ、どこで読んだのかや詳細は極めて怪しいものの、これは読んだことがあった。何はともあれ、どう考えてもムーピーがヤバすぎ。苦痛や恐怖や絶望もたいがい恐ろしく強大でほとんどの人間を殺せるだろうが、それ以上に、「望み通り好きなだけ見られる夢」に抗える人間など存在しないと確信する。ムーピーが現れた時点で人類の滅亡は約束されたようなものだろう。
2018/09/25
かもめ(甘き絶望)
火の鳥 未来編。もうこの一冊だけで手塚先生の伝えたいメッセージは要約されてるんじゃないの?と思った。人類の終焉と30億年後の再生をとおして、宇宙と生命のなりたちを描いている。主人公、山野辺マサトは火の鳥に永遠の命をさずけられる。マサトと火の鳥の邂逅のシーンが肝。宇宙は結局「生きもの」の一部=コスモゾーンであり、ミクロからマクロまで、すべては生きたる細胞である。素粒子の中に太陽が存在し、銀河系をはるか離れたところで、それは生物の細胞の内部にすぎない。輪廻観。巻末の手塚先生のメッセージ(1982年)が印象的。
2021/12/14
ポタオ
壮大な話でした。続きが気になります。
2018/08/04
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