火の鳥4 鳳凰編 (角川文庫)
火の鳥4 鳳凰編 (角川文庫) / 感想・レビュー
ehirano1
色々な意味で壮絶すぎる内容に唖然茫然で言葉になりません。まさに、「考えるな、感じろ!」の作品でした。
2023/06/26
星野流人
悪党として生き抜く我王と仏師の茜丸、ふたりの人間の奇妙に交わる物語。物語の随所で登場する大仏や鬼瓦などの彫刻の迫力が凄まじく、手塚治虫先生の表現力の高さに脱帽。例に漏れずこの作品も人間の浅ましさを壮大に描いていて、惹き込まれました。茜丸と我王、それぞれの善性と悪性が物語の進むうちにいつの間にか逆転してしまっているのも、なんとも不思議な感じ。人間とはまあどうしようもない浅ましい存在ではありますが、その中で我王のように生きている存在もあって、「火の鳥」らしいエピソードでとても良かったです
2024/01/03
活字スキー
【「全国から参拝にくるぞ。そしておれの名をたたえるだろう……最高の名誉だ」「にいさんはあっちこっちで人間がカラカラに干上がってるの知らないんだろ」】相次ぐ災いに苦しむ人々を統治するため、権力者が仏教文化を推進していた飛鳥・奈良時代に生きた二人の男、我王と茜丸を描く鳳凰編はシリーズ屈指の高い人気と評価を誇るエピソード。「清濁併せ呑む」というレベルではない、冒頭からとにかくフルスロットルで世の不条理と人間の業の凄まじさに震えっぱなしだった。我王!今回の巻末トリビュートは末次由紀。
2018/11/25
gtn
世の不条理への憎しみゆえ、生き残るため、殺人を繰り返し、その情念を作品に昇華させる仏師我王。その我王に斬られ、右手が利かなくなるも、精進の末、天下の仏師に駆けのぼった仏師茜丸。我王は、生き延びて、仏像を彫り続ける。片や茜丸は無残な死。この差は何か。永遠の生命を悟った者と現世満足の者との違いでは。
2023/11/11
阿部義彦
これも何十回目かの再読になりますが、エピソードの中では一番幹となる重要な巻ですね。我王と茜丸の運命の皮肉な交錯、火の鳥は象徴としてしか描かれていなくて、登場人物は誰一人火の鳥と合間見えてはいないという物語。政治に利用される宗教、そして茜丸と我王それぞれが夢でみた過去から未来へのビジョンとは?私的には大仏の掌の上に〇〇をひり出したブチのシーンが忘れられません。読めとしか言えない。
2018/07/28
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