火の鳥5 復活・羽衣編 (角川文庫)
火の鳥5 復活・羽衣編 (角川文庫) / 感想・レビュー
紅香@本購入まであと9冊
復活・羽衣編。2482年。1人の少年が墜落死した。科学の力で生き返ったレオナ。小脳のほとんどを人工頭脳と入れ替えた彼の復活は悲劇だった。。火の鳥の不老不死を手に入れることに躍起になっていた人類は何年経っても不死に拘る科学が発展している。それは幸せなことなのだろうか。誰のなんのために。生きているとはどういうことか、湧き立つ心、愛するということは。何が居心地良く、何を望むのか。命を持って、痛みから知らしめるもの。火の鳥を追いかければ追いかけるほど、手塚治虫氏の天才ぶりと神の目線をみせつけられる。凄まじい引力。
2020/05/26
星野流人
事故に遭った青年が機械により生命を与えられて復活する「復活編」。脳までをほとんど人工頭脳と入れ替えられたレオナが自身が人間か機械かで思い悩む、それだけでひとつのテーマとしておもしろいのにさらに物語としてもう一捻りもあるから凄まじい。中盤からは未来編にも登場したロビタのエピソードも交えて話が広がっていって、改めて火の鳥全体の構造の複雑さを目の当たりにしてとても感動しましたた。 「羽衣編」は天の羽衣伝説を下敷きにした40ページ程度の短編。全編が舞台上で演じられる物語で、見たことない作図で面白かったです
2024/03/03
かもめ(甘き絶望)
第5巻。復活編はハチャメチャだ。交通事故から「生還」した少年レオナ。しかし、それは脳と心と体が電子と機械で分断された末の復活であった。復活編のテーマは「ロボット」だと思った。ロボットに人間の心があるのか?というSFの鉄板テーマ。んで、レオナはロボットに恋をしたり、ロボットに恋をされたりします。んで、「ロビタ」という量産型の労働ロボットが並行して物語に出てきます。んで、このロビタたちがなんやらかんやらしでかすのです。「遊ビナンテナラウッテモノジャアリマセン ジブンデカンガエルノデス」読解度2.6 総評3.4
2022/01/22
活字スキー
神林さん激推しのロビタの誕生と幾千幾万の死。様々な衝撃と倒錯に満ちた壮絶な復活編はなんといっても脳の大半を機械に置き換えられて以来生物と無生物に対する認識が狂ってしまた少年の愛と苦悩のインパクトが凄まじい。人を人として認識できず、人でない存在を人として愛してしまう。人としての死から復活したはずの少年は、やがて人として存在し続けることが出来なくなる。荒俣先生の解説にもある通り、手塚先生の天才ぶり、その視座の置き方の桁外れ具合が冴え渡る。
2018/12/29
gtn
人間の感情を残すロボット、ロビタの物語。時点を変えながら、そのルーツと行く末を描く。ストーリーの壮大さと緻密さに、言葉もない。
2023/11/15
感想・レビューをもっと見る