火の鳥7 乱世編(上) (角川文庫)
火の鳥7 乱世編(上) (角川文庫) / 感想・レビュー
紅香@本購入まであと9冊
『この世に種族がある限り、その種族の生きる道は権力の座を争うほかないのだろうか』平家が時の権力者だった時代。山で暮らすおぶうと弁太が櫛を拾ったことから表舞台に立つことを余儀なくされる。牛若とも出会い、ここにもまた、権力の座を争って暗雲が立ち込める。。序盤のエピソードで生きているものの業を諭されてしまう手塚治虫氏の俯瞰した眼力に畏れを抱く。乱世編下巻へ。
2022/06/08
星野流人
平清盛隆盛の時代、奇妙な運命に巻き込まれたマタギの弁太とおぶうの物語。おぶうを連れ去られた弁太がどう清盛との物語に関わっていくのか読み進めていけば、牛若丸が登場してきたことで一気に「そういうことか!」となりました。自らの死期を悟った清盛が必死に火の鳥を求める姿は、これまでのお話でも度々登場した不老不死を望む人々のそれと重なる感じです。上巻でのエピソードは清盛の死まで。ここから下巻でどう話が転んでいくのか、とても楽しみです。
2024/09/29
活字スキー
漫画史に時空を越えて燦然と輝くシリーズもようやく折り返しの七巻・乱世編(上)。時は12世紀末、平安貴族の時代から武士の世へとうねりは激しく、その中心となるのはかの平清盛。大河ドラマはほとんど観なかったのだが、この関西人丸出し坊主がめっぽう人間臭くて憎めない。彼はまぎれもなく日本を新たなステージへと押し進めた立役者、まさに時代の寵児であり、栄華を極め、それ故に苦しみ抜いて最期を迎えることとなる。奢れる者は久しからず。諸行は無常。武士の時代、欲望と暴力の嵐は留まるところなく吹き荒れることとなる。
2019/02/26
gtn
滅亡に向かう平家に義理立てしようとする女性、おぶう。永遠の生命に拘る清盛も愚かだが、おぶうも哀れ。盛者必衰だけではない。輪廻転生を併せて描くところに救いがある。
2023/11/22
かもめ(甘き絶望)
火の鳥7,8は乱世編の(上)(下)巻である。時代は1172-1189年間のの京都、平泉が舞台。源氏と平氏の戦いに、火の鳥や民衆(弁太とおぶうが主軸)がからんでえんやわんや。オリジナルにかなり改変してあると解説にある。プロローグの赤兵衛、白兵衛の語りが本編の根底に通じる。7巻では、手塚先生のコラム(1985年4月)に、昨今のアニメ批評がされている。先生はメタモルフォーゼという言葉を使って、日本の当時のアニメを批判している。自分はアニメは昔ものも、現代の内外ものも疎いので、何とも言えない。
2022/04/17
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