火の鳥13 ギリシャ・ローマ編 (角川文庫)
火の鳥13 ギリシャ・ローマ編 (角川文庫) / 感想・レビュー
活字スキー
1956年から月刊『少女クラブ』にて『リボンの騎士』完結ののちに連載されたエジプト・ギリシャ・ローマ編と、54年の『ジャングル大帝』完結を受けて月刊『漫画少年』で連載された黎明編(未完)を収録。まさに火の鳥さながらに果てしなく転生を繰り返したシリーズの初期作であり、掲載誌ごとの配慮も含めて手塚作品の源流を辿る面白さはあるものの、超絶的なスケールとインパクトの『火の鳥』としては物足りなかった。カラーページは豊富ながら、画質は良くなく、漫画としての完成度もまだまだといった印象。巻末トリビュートは萩尾望都。
2019/09/30
gtn
昭和29年執筆開始「漫画少年版火の鳥」黎明編を収載。著者が、若き漫画家たちの神だったことを理解。例えば、初期の藤子不二雄のタッチは、著者のコピーである。なお、出版元「学童社」が倒産したため、本作は未完だが、他の文献によると、廃刊前に、連載休止する旨、著者が本誌で予告していたらしい。原稿料の滞り等、著者も学童社の終焉を感じていたのだろう。
2023/12/09
かもめ(甘き絶望)
久々に火の鳥シリーズ。第13巻。ギリシャ・ローマ編とあるから、なんか古代ロマン溢れていてスペクタクルな展開を期待して読んだのだが、全く面白くなかった。そもそも、いつ、どの順序で連載されたのか、この角川文庫シリーズは分かりにくい。本巻はかなり古いようで、字も小さく、マス目などもギシギシしていて読みにくかった。そして、ストーリーもウダウダしていて感動もなかった。なんだか、現代のそのへんのマンガ本を読んだ方がよっぽど楽しいのではないかと思った。とはいえ、ラストの第14巻が残っている。これに期待しよう。
2022/11/14
阿部義彦
火の鳥前史とも言える内容。描かれたのが1954年から57年の間、ジャングル大帝やリボンの騎士が完結して間もない頃、私もまだ生まれてません。絵柄は完全に少女漫画のものですが設定も少し違っていて、恋人ではなく兄妹の生まれ変わりというあの時代ならではの発想。まだコマ割りの変化もあまりなく単調なのは否めませんが、動物達の魅力的なこと、解説の萩尾望都さんも仰ってますが動物三人物の原点があり「ワンダースリー」に連なると思うと感無量です。これは貴重な資料となるカラー原稿です。読めて良かった。
2018/12/29
こまごめ
少女漫画で連載されていた初期火の鳥なので、番外編というかまだまだ絵柄も含めてこれが火の鳥なのかな?という軽いお話なんですが…こんな昔から火の鳥のお話を温めてライフワークにしてしまう手塚治虫恐るべしと言った感じです。絵柄も少女漫画なのでここからアップデートしたのも凄いと思います。
2024/07/29
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