ヒトラーの試写室 (角川文庫)
ヒトラーの試写室 (角川文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
面白い‼️流石は崇拝する松岡さん!よくこんな思いつきするよね、驚愕です!私世代にはお馴染みのウルトラマンシリーズの円谷特殊撮影班の技術と映像がなんと世界大戦時のドイツ総統ヒトラーのお眼鏡にかない、主人公が映画制作の肝で活躍する話!あぁ、あらすじ言いたい❗これ、軽くサクサク読めるけど、実際あった史実と思わせます!上手いんですよね松岡さん!大戦、虚構の各国国民感情陽動、情報操作、世論撹乱、原爆、諸々の要素がまるで史実!ストーリーセラーとしてある意味1つの頂点を示してくれた作品か!創作小説として楽しめる‼️🙇
2019/02/21
ehirano1
「歴史秘話に基づく」と言われると、無条件で読んでしまいますwww。柴田彰(仮名)は円谷プロの全身のレジェンドだったんですね。よくもまあ、このようなレジェンドを見つけ出して創作されたことで歴史的偉人をまた一人知ることが出来たことに感謝したいです。
2022/02/23
Aya Murakami
発見!角川文庫70周年対象本。 ゴジラとかで有名な東宝の前身の話…のようです(特撮の歴史は詳しくないのでどこまで史実なのか見分けがつかないのですが)。煙に顔が浮かぶアクシデントやら火山の噴火の再現映像を作る話やら史実なら現在の特撮技術の元になるようなエピソードが終盤までこれでもかと登場します。しかし特撮という作り物は楽しい話ですが、大本営発表は悲しい作り話という皮肉な展開も。しかも悲しい作り話に色を添えるプロパガンダ映画を主人公たちがつくったのだから後味が悪い。
2019/07/18
のり
史実にそった作品。柴田彰は、後に円谷プロの創設者となる円谷英二の下で特殊撮影の技術を学ぶ。時は大戦にさしかかる中、日独の共作映画に携わる。技術を買われ、ナチスから指導者として招かれる事に。妻子を残し独に航るのは断腸の思いだっただろう。純粋な特撮への想いが、徐々に政治色が濃くなっていく。利用された現実、大戦も終局間近。祖国に残した家族を想いながらの絶望感。夫・父・技術者・一人の人間としての葛藤に深く揺さぶられる良作。
2018/08/30
utinopoti27
日本の近代史を題材にした歴史小説家に転身した(?)松岡さんですが、本作のモチーフが史実だと知っている人はどれだけいるでしょうか。あの円谷英二を師と仰ぎ、特撮技術に人生を賭けた柴田彰は、ある思惑のもと、戦時下のドイツに招かれるが・・。史実と創作の境目がはっきりしないまま、読者は彼の数奇な運命に引きずり込まれてしまいます。自分の映画作りの理想が、夢が、時代の荒波に翻弄され、歴史を捻じ曲げる手段に貶められてゆく無念は言葉になりません。真実を見極める目の重要さをあらためて心に刻む、これはそんな作品だと思います。
2018/03/22
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