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晴れ女の耳 紀ノ国奇譚 (角川文庫)

晴れ女の耳 紀ノ国奇譚 (角川文庫)

晴れ女の耳 紀ノ国奇譚 (角川文庫)

作家
東直子
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-04-25
ISBN
9784041067482
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晴れ女の耳 紀ノ国奇譚 (角川文庫) / 感想・レビュー

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あも

土着の寓話、現代の御伽草紙。舞台は紀ノ国、和歌山。某読友さんの前ではちょいちょいディスってるが、何度も訪れている大好きな土地である。愛ゆえなのである。と、言い訳はこの辺で。こーれは好み!イボ神様、白浜の海底に居を構える作家、ほか人柱に神隠しと悲惨な話がモチーフながら、土の匂いと郷愁のオブラートでそれらを包み、過酷な悲哀を、ほろ苦く切ない舌触りに変え、すっと胸の奥へ届けてくれる。見回せばどこもかしこも煌々と照らされてしまった此ノ国。夢と現のあわいが緩やかに溶け合う場所は未だ残っている。あなたもぜひ紀ノ国へ。

2018/12/02

のんき

最初のイボの神様が印象に残りました。神様は、なんのために、わたしたち人間の願いを叶えてくれるのかなあ、でも叶わないことのほうが多いけど、神様側の気持ちなど考えないで、いい学校に入りたいとか、お金持ちになりたいとか勝手なお願いばかりしてたなあ。中途半端に祈ってるから、逆のことが起きたりします。真剣に祈って、叶えられたら、ちゃんと神様に感謝しなきゃなって思いました。哀しい女性や子供たちのお話しが多かったな

2018/07/19

★Masako★

★★★★東さん初読み♪和歌山の民話や実話を題材にした8編からなる奇譚集。遥か昔、過酷で悲しい運命を背負って生きてきた女や子供たち。彼女らの魂(想い)は、姿形を変えながら現代まで生き続けていた。出会った相手によって救われる者、出会った相手を強い執着の念で取り込こもうとする者…。一編目の「イボの神様」からもう涙!「赤べべ」「晴れ女の耳」「先生の瞳」「サトシおらんか」には特に引き込まれた。東さんの温かみのある優しい文章が心地よく、この不思議な世界観にずっと浸っていたかった♪他の作品も是非読んでみたい!

2018/06/04

きっしぃ

和歌山の昔話、実話8編の短編集。晴れ女の耳を読んで、雨女のわたしの耳にはなにが住んでいるんだろうと思った(笑)人柱や、神隠しにあった、女性の悲しみ。切ない話が多め。ベストは、表題作『晴れ女の耳』。

2019/02/19

TANGO

救われない報われない逃れられない、閉じ込められ囚われ虐げられ蔑まれそれでも生きるしかなかった女たちの昔ばなしが語られる。鬱蒼とした森の濃密な空気感は、清々しくもあり、それでいて息苦しくなる。一話目の「生半可に願うなんて、神様に失礼やないですか。」で神様の怖さを知り、自分の中途半端さに恥じ入る。どの物語も「哀しみと絶望」があるけれど、静かに泣ける光指す場所がある最後の話に、切なさと救いを感じた。

2018/05/13

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